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学級委員も楽じゃない 2

我が校の文化祭は9月中旬に行われる。


普通の三年生は受験なので文化祭どころではないのだが、こういう時に大学付属の強みが出る。


大体どこのクラスの三年生も気合十分で文化祭に臨んでくる。


もちろん私のような一部の受験組の参加率は低いけども。


それでも大半の生徒が受験をしないため、クラスの出し物は毎年大したものが出来上がる。


「よくこんなの思いつくよねぇ…」


「文化祭は男の人の出入りがあるからね。チャンスだと思ってるんでしょ。」


どうやら千紗は男の子に興味なさそうだ。


ため息をこぼしながら、完成した企画書を見ている。


まぁそりゃそうか…千紗は自分の恋愛より他人の恋愛に興味ありだもんな。


「買い出しはまた後日でいいわね。本格的な作業は夏休みからだし。」


「どちらかというと我々は期末テストの準備をしなくてはならないもんね。」


「ちりが言うと嫌味にしか聞こえない。」


「え、ひどい!」


この前中間テストが終わったと思っていたのに、もう期末テストがそこまで来ている。


こんなにも時間の流れを早く感じるのは久しぶりだ。


今まではずっと、机と椅子だけが私の学校の全てだった。


まさかこんなにも多忙な学校生活になるとは想像もしていなかった。


でも不思議と嫌じゃなかった。


そりゃムカつくこととか、辛いこともあったけどさ…


それでもちょっとはいい学園生活だった…と言えるだろう。


そのきっかけを作ったのは紛れもなくあの双子たちだった。


今の私は奴らのことを少しうざい妹のように思っている。


茉鈴とお兄ちゃんのお陰で全く関わりたくなかった双子からたまにご飯食べるくらいなら許す双子になった。


「はい、出来た。」


「流石千紗。さっさと帰ろう。」


「そうね、帰りましょう。」


急いで帰り支度をし、戸締りをした後に教室を出た。


もうすぐ夏がくるせいだろう。


もう6時なのに外はまだ明るい。


「さっき計算してたんだけどさ、この衣装予算に収まると思う?」


「無理でしょ。収まらなかったら制服で出てもらおうぜ。」


「うわ、ナイスアイディア。」


駅までの道のり、私たちの話の大半は文化祭の愚痴だった。


そりゃ愚痴もこぼしたくなる。


クラスの人たちはただやりたいことだけを口にすればいいだけだから文化祭が楽しみなんだよ。


それをまとめて、企画書書いて、予算立てて、買出しして…面倒ごとは全部こっちが背負ってるんだもん。


多分文化祭当日、私はそのへんの空き教室で昼寝でもしているだろう。


「大体動物カフェってなのんなのよ。」


「本物の動物連れてきた方が私的には需要あるなぁ。」


「いや、私は女子高生の方が需要あるかも。」


「…あんたの考えてることが手に取るようにわかるわ。」


メガネの奥から瞳を光らせる千紗は本当に生き生きしている。


最近ではメガネを外さなくても少々スイッチが入り気味なのでこちらとしてはいい迷惑だ。


「ちりはなんの動物にするの?」


「…調理係希望。」


私たちのクラスは『動物カフェ』…らしい。


動物のコスプレをした我々が接客するカフェらしい。


最近の若者の考えは独特だと思う。


クラスでの話し合い中、私は終始ついていけなかった。


「逃げたね。」


「逃げるよ。耳のカチューシャとか死んでも嫌。そんなのするくらいなら犬に顔面噛まれた方がマシ。」


「ちりにとっては精神的苦痛よりより肉体的苦痛のほうがマシなんだね。」

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