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いざ球技大会! 5

第五回花澤ちり脳内会議(サミット):議題【球技大会作戦会議】


ちり1「まさかここまで追い詰められるなんて…」

ちり2「この私が追い詰められるとは…やるなぁ、色葉すず…」

ちり3「か、感心してる場合じゃないですよ…!このままじゃ負けちゃいますよぉ…」

ちり4「うーん…わざとピッチャーのボールにぶつかってデットボールで出塁するのはどお?」

ちり2「馬鹿か貴様は!お前にはスポーツマンシップというものがないのか!?」

ちり4「やだなー冗談だって。そんなに怒んないでよぉ。」

ちり5「うぅー!楽しいなぁ、球技大会!思いっきりプレイすればいいんだよっ!」

ちり1「そういう訳にはいかないのよ!」

ちり2「…でもそれくらいしかできないだろ。」

ちり4「だねー」

ちり1「うっ…」

ちり3「じ、自分を信じて頑張る…しかないです…!」

ちり1「そうね…それしかないわね!」




「花澤さんごめん!打てなかった…」


現実世界に戻ると、スリーアウト交代の合図を審判が告げていた。

あ…もう最終回…!?


「ううん、気にしないで。切り替えて行こう。」

「あ、ありがとう…!私頑張る…!」


バッターボックスからションボリしながら帰ってきたチームメイトも守備に戻る頃にはやる気に満ち溢れた顔になっていた。


そうだ…全力でプレイするしかないんだ。

私だけじゃない、チームのみんなも頑張ってくれている。

練習の日々を信じて…やるしかないんだ!



「お願いします!どんな手を使ってでも出塁して下さい!」

「…ちりってプライドとかスポーツマンシップはないの?」

「ない!」

「潔いわね…とりあえず土下座はやめて、私が恥ずかしい。」


五回の表はなんとか抑えた。

しかし!現在五回裏ツーアウトという局面で出塁者ゼロ。

このままでは引き分けどころか負けてしまう…!

私は慌ててタイムをとり、人が少ない所までネクストバッターの千紗を連れ去り、なんとか出塁して欲しいと土下座で頼み込んだ。


千紗の次のバッターは私。

唯一すずからヒットを打った私なのだ。

ホームランまではいかなくとも千紗をホームまで返せる打球が打てれば…

まだ勝機は残っている!


「わかったわ…お願いします!出塁して下さい!」


言われた通り土下座はやめた。

代わりに頭が膝にくっつくくらいお辞儀をし、再び千紗に頼み込む。


「どんな手を使ってでもって…」

「何でもいい!デットボールでも賄賂でも何でも!金なら払う!に、二千円くらいなら出す!」

「二千円って…」

「それに関してはごめん!生活費かかってるの!二千円が限界!」

「いや…金額どうこうじゃなくてお金をもらうのが問題でしょ。」


チッ…頭固いな、コイツ。

別にいいじゃん…!世の中お金で解決できることはお金で解決すべきよ!?


「じゃあデットボール!」

「お前は私を殺す気か。」

「大丈夫!ちょっーとかすればいいだけ!三十分もすれば痛みも引くって!」

「あーもう!わかった、打てばいいんでしょ!?打てば!」

「へ…?」


痺れを切らした千紗はメガネをかけたまま怒り出した。

メガネをかけた千紗がキレるとは想像していなかった私は面食らってしまった。


「私は真っ当な人間なの!そんなスポーツマンシップのかけらもないようなクソプレイしたくない!だから打つわよ!絶対打って出塁してやるわよ!」


千紗は私を人差し指で差し、そう宣言した。

千紗が頑張ってくれるなら構わないけど…私を人の道から外れた外道みたいな言い方しなくてもいいじゃん…!




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