ちりVSすず 3
第五回花澤ちり脳内会議:議題【球技大会について】
ちり1「また厄介なことになったわ…」
ちり2「だから私は言ったんだ!なんで去年みたいに腕を折らなかったんだ!?」
ちり3「きょ、去年だってわざと折ったわけじゃないです…!」
ちり4「去年は階段から落ちて左腕折ったんだよねー今思えばめっちゃうけるよね。」
ちり5「あははっ!本当私ってバカだよねぇ!」
ちり1「静かに!とにかく球技大会は休みましょう!あんなに期待されて失敗なんてしたら…」
ちり4「あー…私があまりに上手いからクラスメイト本気になっちゃったもんねー。」
ちり3「これなら優勝狙えるって言われちゃったし…」
ちり2「まさかクラスの奴らがあんなに本気で練習するとは思わなかったな…」
ちり5「いいじゃん!体動かすの楽しいじゃん!思いっきりプレイすればいいんだよ!」
ちり1・2・4「お前は黙ってろ!」
ちり1「と、とにかく…こうなった以上目立つのは必須。期待を裏切らないプレーをするしかないわ…」
ちり4「…後はわざと骨折するとか?」
ちり2「バカか貴様は!去年あれだけ痛い思いして何を言い出す!」
…うん、確かに痛かったなぁ。
あれは泣いたね、うん。
「ちーりちゃん?どーしたの?」
「げっすず…」
「げって何よ?折角会いに来たのに!」
いつも通りになりつつある旧校舎の階段で昼休みを過ごしていると目の前にはすずが座り込んでいた。
な、なんでここがバレたんだろう…
冷静な顔持ちのちりだが、内心とても焦っていた。
「あんた一人?らんは?」
「もー!いつもセットみたいに扱わないでよ!らんは部活の練習!」
「へぇ…」
一応聞いてみたもののどうでもいいことだ。
一人いようが二人いようがうざいことには変わらないもんなぁ…
「それよりちりちゃん!ちりちゃんに勝負を申し込みに来た!」
「…拒否します。」
「えぇー!?なんでよ!?」
「面倒くさい、以上。」
不服そうなすずをちりは追い払うように言った。
なんだよ勝負って、面倒くせぇな。
「…もしちりちゃんが勝ったら昼休みに無理やり押しかけるのはやめる。」
「は!?ま、まじで言ってる!?」
予想外の展開にちりは動揺しまくった。
か、勝ったら私の優雅な昼休みが取り戻せる…!?
「ただし!もし私が勝ったら週一でいいから一緒にお昼食べて!」
こ、こいつはなんて提案を…!
提案に食いついているちりを見て、すずはドヤ顔を決めながら話を続けた。
「勝負の内容は球技大会のソフトボール。トーナメントで勝ち残れた方が勝利よ!」
緊急開催!花澤ちり脳内会議
ちり1「ど、どうします!?」
ちり2「のるっきゃねぇだろ!この階段飯からおさらばするために!」
ちり3「えぇ…?もし負けたらどうするんですか…?」
ちり2「あぁ!?勝てばいいんだよ!勝てば!」
ちり3「で、でもぉ…」
ちり4「まぁ負けても週一だし…階段飯に比べればマシじゃない?ここマジでホコリっぽくてもううんざり。」
ちり5「私的には…」
ちり1「緊急会議の時に貴方は発言しないの!…みんなの意見を聞いて、答えを決めたわ。」
「…いいよ、すず。その勝負受けてやるわ。」
「うん!そうこなくっちゃ!絶対負けないから!」
いつの間にか二人の間には火花が散っていた。
守り切る…私の優雅なぼっち昼休み…!




