隣のカラー 3
第五回花澤ちり脳内会議:議題【今後の学校生活パート2】
ちり1「どーなってるのよ!意味がわからない!」
ちり2「お、おいっ…そんなに感情的になるなって…!」
ちり1「感情的にならずにいられるかっ!何で学級委員なんかやらなきゃいけないんだよ!?うわぁぁぁーーー!」
ちり2「おいやめろ!暴れるなって!」
ちり4「あははーウケるー!動画撮ってインスタ上げていい?」
ちり3「もうやだ…死ぬ…死んでやるぅ…」
ちり5「おーい!みんな元気出してよー!つまんないよー!」
ちり2「だぁぁぁ!もう解散だ!解散!」
ふっ…相変わらず私の頭はバグってるな…はは…
「花澤さん、手が止まってるわ。」
「あ、すいません…」
放課後、ちりと山下さんは学級委員の仕事という名の雑用をしていた。
向かい合わせで座り、ただただプリントを折って封筒に入れていく作業。
ああ…早く帰りたい…
「花澤さん、ありがとうね。副委員長を引き受けてくれて。」
「え、あ…う、うん…」
山下さんは一切こちらを見ずに作業をしながらお礼を言った。
山下さんの表情は無表情そのものだった。
…てか引き受けたつもりは一ミリもないんですけど!
そもそも山下さんが私を指名しなければこんな事にはならなかったのに…!
「…一つ聞いてもいい?」
「何かしら。」
完全にイラついてたちりは普段なら飲み込む言葉をつい言ってしまった。
「なんで私を副委員長にしたの?なんか私に恨みでもあるの?」
流れるように出た言葉は想像以上に冷たい声になっていた。
やば…なんかすごく怒ってる人みたいに思われたかも…
「ああ。話してみたかったからよ。」
「…は?」
相変わらず山下さんはこちらを一切見ずに作業をしながら答えた。
「私の名前は山下千紗。千紗と呼んで。」
「いやそうじゃなくて…」
「誕生日は10月17日。」
「いやだから…」
「血液型はA型。好きな食べ物は納豆。嫌いな…」
「だぁぁぁ!話を聞けっ!」
イライラが募り、耐えられなくなったちりは立ち上がり声を荒げた。
「急にどうしたのよ。」
「どーしたもこーしたもあるかっ!何が目的かって聞いてんの!」
「だから仲良くなりたいって…」
「その意図が分からない!なんで!?私と仲良くなりたい!?なんのメリットがあるのよ!私と仲良くなって!」
ヒートアップしたちりに対し、山下さんは先ほどと同様に作業を続けていた。
「仲良くなる…メリット…」
山下さんが呟くようにそう言った。
「そうよ!メリット!私と仲良くなりたいって目的が信用ならないのよ!」
「メリットならあるわ。」
立っているちりに対し、山下さんも立ち上がりやっとちりの目を見ながら言葉を発した。
山下さんの真剣な顔にちりも息を呑んだ。
「私…ガールズラブが好きなの。」
「…は?」
ちりの頭は真っ白になった。
…真剣な顔をしてコイツは何を言ってるんだ?




