第9話 東京から手紙が届いた!
太一郎達と京都観光をしてから約一か月後……
ヒトヤンは自宅で暇を持て余していた。
はぁ……暇やなぁ……
また学校サボってコメコメとどっか行こかな…っていうか前に東京の子達と一緒に周った京都はメッチャ楽しかったなぁ……
タイタイ達、元気にしてるかなぁ……
タイタイ、またケシケシ達にイジメられてへんやろなっ!?
そう言えばあの時、タイタイに携帯番号とメールアドレス教えてって言われたけど、俺携帯持ってへんからって事で住所教えたけど、タイタイから手紙なんか来るんやろか?
まぁ、手紙が来ても俺は文章書くの苦手やから、絶対返事は書かへんけどな。
「一志~っ! なんか、アンタ宛てに『重要書類』って書いた封筒が届いてるで~っ!!」
二階の自分の部屋に居る一志に一階から母親の琴葉が大きな声で言っている。
「はーい、分かった~っ! 今下に降りるわっ!!」
ヒトヤンは俺宛てに『重要書類』って一体なんやろうと少し不思議な思いを持ちながら階段を下りて行き、そして母親のいる台所に行くのであった。
「母さん、俺宛てに『重要書類』ってなんやろな??」
「さぁ、分からんわ。まぁ、いずれにしてもアンタ宛てやねんからアンタが封筒開けてみて」
そうして、一志は封筒をビリっと破り中に入っている物を引き出した。
「ん? 母さんこれ……なんか学校案内の『パンフレット』みたいやで。それも東京の学校みたいやわ! ん? 『名染伊太学園』? メチャクチャ変な名前の学校やな!!」
……って、ちょっと待てや!?
この学校の名前……
どっかで聞いた事があるような……
「あ―――――――――っ!! そうやっ!! この学園名、タイタイの苗字に似とるやんけ~っ!!」
「一志! 急に大きな声を出さんといてっ!! ビックリしたやないの!!」
「いっ、いや、か、母さん……これ見てみぃや!!」
「ん? これ高校のパンフレットやなぁ。『なぞめいたがくえん』……あっ!?」
ヒトヤンに渡されたパンフレットを見た母が今度は大きな声をだした。
「か、母さんこそ大きな声を出してなんやねんなっ!? 俺の方がビックリするやんか!!」
「ゴメンゴメン……まさかアンタ宛てにこんなパンフレットが届くとは思わんかったから、母さんビックリしてもうたわ。そんな事よりも何でアンタにこの学校のパンフレットが届いたんやろか?」
「いや、俺もようわからんけど、こないだ京都に行った時に東京から修学旅行に来とった名染伊太一郎っていう奴と友達になったんやけど、それとなんか関係あるんやろか?」
「な、名染伊太一郎やてっ!? っていうかアンタ、いつ京都なんかに行っとたんな!?」
ヒトヤンは『ヤバイッ学校サボったのがバレる』と思い、咄嗟にごまかそうとした。
「えっ!? いや、こないだの日曜やんか。あまりにも暇やったからコメコメと一緒に行っとってん……」
「フーン……なんか怪しいけど、まぁええわ。それよりもアンタの口から『名染伊』の名前が出たのが母さんビックリやわ。これもまた何か因縁めいたもん感じるなぁ……」
母は何か感慨深そうな表情で呟いた。
「えっ? 母さん、名染伊っていう名前知ってるんか?」
「ま、まぁ……私の知ってる名染伊さんと同じかどうかは分からんけど学校関係者やったら繋がりはあるかもしれんなぁ……あっ、パンフレットと一緒に手紙みたいなのも入ってるで。もしかしたらその太一郎君って子からの手紙とちゃうの? 一志、読んでみ」
「うん、読んでみるわ。ホンマ俺は文章読むの嫌いやけど、あのタイタイからの手紙やしなぁ……」
一志はそう言うと封筒の中から手紙を取り出すのであった。




