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第5話 名前、教えて!

 十人で京都観光をする事になったヒトヤン達は……




「ねぇ、君は『ヒトヤン』って呼ばれているみたいだけど、本当の名前は何て言うの?」


 タイチロウが興味深そうな顔をしながら聞いてきたので、ヒトヤンは直ぐに本名を名乗った。


「ああ、俺の名前は『丘司那一志おかしなひとし』っていうねん。別に『おかしな人』って思ってくれてもかまへんで!!」


「いっ、いや別にそんな事は思わないよ。まぁ、どう見ても『普通』とは思えないけどさ。でもヒトヤンは『おかしな人』では無いよ。どちらかと言うと僕からすれば君は『凄い人』だよ!!」


 タイチロウは少し興奮した感じでヒトヤンにそう言った。


「そんで、タイタイの本名はなんて言うんや? 下の名前は『タイチロウ』やけど……」


 今度はヒトヤンが逆にタイチロウに本名を聞いてきた。


 タイチロウはあまり言いたく無いような表情をしたがヒトヤンの早く聞きたそうな笑顔を見ると言わざる負えない感じに追い込まれる。


「ぼ、僕の名前は……『名染伊太一郎なぞめいたいちろう』って言うんだ。変な苗字だろ? よく言われるんだぁ……ハッ、ハハハハ……」


 太一郎は少し恥ずかしそうに作り笑顔をしながら苗字を名乗るった。

 そしてそれを聞いたヒトヤンは……


「なっ! 名染伊なぞめい太一郎やって!? メチャクチャおもろい名前やなっ!?」


「きっ、君だけには言われたく無いんだけどさ……でもホント君は、何でも思った事をストレートに言う所があるよね?」


「ストレート? なんやソレ? まぁ、ええわ。そんな事よりも、ほんならタイタイのオトンは何て名前何や? あっ、ついでに爺ちゃんの名前も教えてぇや?」


 ヒトヤンの質問に少し渋い顔をしながらも太一郎は父親と祖父の名前を言い出した。


「うーん……えーっと……お父さんの名前は『太郎』でお爺ちゃんが『太助』って言うんだ……」


 …………


 一瞬、二人の会話に間が空くと、ヒトヤンの体が少しずつプルプルと震え出してきた。


 その震えは勿論、笑うのを我慢している状態である。


 しかし、その我慢も数秒しか持たず、一気にヒトヤンを爆発させてしまった。


「たっ、太郎に……たっ、太助やて~っ!? もう助けて~っやわ!! ワーッ、ハッハッハッハ~ッ!!」


「絶対に笑われると思ったよ!! 君は本当にヒドイ人だね!? そ、それに今、地味にダジャレを入れたよね??」


 太一郎は少し怒り口調でヒトヤンに言い返したが、ヒトヤンは全然気にせずにまたしゃべりだす。


「そう言えば、どの名前も全部『太』が付いてるなぁ? これはアレか? 『先祖代々』名前に『太』が付いているって感じなんか~っ!?」


「そ、それはよく分からないけど……たしか、前にお爺ちゃんが、うちの先祖には『名染伊太右衛門なぞめいたえもん』っていう凄い方がいるって言っていたような……」


「そうなんやぁ!! いや、笑って悪かったな!! ホンマは少し感動したんやで!! 俺も将来、子供ができたら名前に『一』を付けようと思ったわ!! まぁ、俺もこんな名前やけど結構気に入ってるねん。だからタイタイも自分の名前は誇りに思うべきやで!!」


「あ、有難う……なんか君と話をしていると『ジェットコースター』に乗っている感じだよ」


「ジェットコースター? どういう意味か分からんけど、俺の事は『きみ』じゃなくて『ヒトヤン』って呼んでくれてええでっ!! っていうか、せっかく友達になったんやから、そう呼んでぇな」


 ヒトヤンは満面の笑みで太一郎に言ってきた。


「わ、分かったよ。ヒトヤン……」


「ところで、ヒトヤンの友達の名前は何ていうの?」


「あぁ、コメコメの名前か? アイツの名前は『仁見孔明ひとみこうめい』って言うんやわ。アイツもまた変な名前やろ? なんか中国の歴史上の超有名人と同じ名前らしいけど、俺は全然知らんねん。タイタイは『孔明』っていう、おっさん知ってるか?」


 ヒトヤンがそう聞くと太一郎は細い目を限界まで開き、そして目を輝かせながら答えた。



「こっ、孔明だって!? そ、それはあの『三国志』に出てくる超天才軍師の『諸葛亮孔明しょかつりょうこうめい』と同じ名前じゃないか!!」

お読み頂きありがとうございます。


十人で京都観光をする事になったヒトヤン達、果たして今後の展開はいかに!?

そして次回、『ロミロミ』と『ケシケシ』の本名が判明します!!←どうでも良いですかね?(笑)

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