表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/27

第18話 歴史を感じるな!

 ヒトヤン達、五人は文化部が活動している『別館』の前に来ている。



 どよ~~~~~ん……



「なっ、何だ? この思わず『どよ~ん』って言いたくなるような『別館』は!?」


 ケシケシが『別館』に向かって大きな声で叫んでいる。


「ふん、だからお前は『二流』なんだよ! お前にはこの『レトロ感』が分からない様だな!?」


「なっ、何が『レトロ感』だっ!! ただ古臭い建物ってだけじゃねぇか!!」


「オイ、ゲキゲキ? 『レトロ』って、簡単に出来て美味しいアレの事か!?」


「へっ? 『レトロ』が美味しいアレだと?」


「ヒトヤン!! お前が行っているのは恐らく『レトルト』の事だよっ!!」




 三人が大騒ぎしている中、ロミロミも少し驚いた声で太一郎に質問をする。


「ホ、ホント古い建物よねぇ……。ねぇ、太一郎君? この『別館』は結構古い建物だと思うんだけど、いつ頃建てられたものなの?」


「えっ? ああ、そうだね。皆が引いちゃうのもよく分かるよ。実はこの『別館』が『名染伊太学園なぞめいたがくえん』創立時の『本館』なんだよ」


「え――――――っ!? そうだったの? 全然知らなかったわ……」


「この建物は『大正時代』に建てられたものらしくて、僕のお爺ちゃんで、この学園の『創立者』の『名染伊太助なぞめいたすけが『教師』を辞めて、借金をしてこの古い建物を購入したのが始まりらしいよ』


「ほぉぉぉ!! そうなんや!? タイタイの爺ちゃん、めちゃくちゃカッコエエやん!!」


「そっ、そっかなぁ……?」


「そやで!! だってタイタイの爺ちゃんアレやろ? 教師を辞めてまで、この学園を創ったんやろ? そこまでして『学校』を創ったんやからな!! 絶対なんか目標があったんやと思うし、めっちゃカッコエエやん!!」



「有難う、丘司那一志おかしなひとし君……だったかな?」


「へ? そ..、そうですけど……あっ!?」


「あっ!? おっ、お父様!!」

「 「 「 がっ、学園長!!?? 」 」 」


「バカモン!! 太一郎!! 学園内では『学園長』と呼べとアレだけ言っただろっ!!」


「スッ、スミマセン、おとう、いえ、学園長……」

「まぁ、そんな事より丘司那君……。君は聞いてた通りの子だね?」


「えっ? どんな風に聞いてたんですか?」


「君はどんな事に対しても前向きな発想で、人を褒めるのが上手だとね……」


「そうですかねぇ? でも俺は基本的に人の悪口を言うのは嫌いやし、聞くのも嫌ですね」


「フフフ……本当に君は……ティ部向きの子だな……」


「えっ? 学園長、今何て言いました?」


「いや、何でもない。気にしないでくれたまえ……」


「はぁ、ところで学園長は、何でこんな所にいてはるんですか?」


「ん? 私か? そうだね。日頃は『別館』には来る用事は無いのだが、入学式の日だけは此処に来るようにしているのだよ……」


「えっ? 何でなんですか?」


「此処はね、私が青春時代を過ごした思い出の場所でね。毎年、入学式の時には『初心』に戻る為に此処に足を運んでいるのだよ……」


「へぇぇぇぇ、そうなんですかぁ……って……ん!?」


「そう、私は『名染伊太学園の一期生』なんだよ」


「 「 「 えっ、え――――――っ!? 」 」 」


学園長が学園の一期生だという事を知り、全員驚いた。


「ハッハッハッハ!! 別にそんなに驚く事でもないだろう? 私の父が創った学園なんだからね。息子の私がこの学園に通う事はあり得る話じゃないかね?」


「い、言われてみればそうですね。ハッハッハッハ!!」


「本当に君は面白い子だ。これからの学園がとても楽しみだよ」


「おっ、俺も楽しみにしてますよ! だってワザワザ大阪から来たんですからね。楽しませてもらわんと、東京まで来た意味あらへんですもん……」



「ところで君達は今から『文化部』の見学に行くんだね?」


「 「 「 はい、そうです!! 」 」 」


「そうか、そうか。うちの学園の『文化部』はとてもユニークな部が多いから、十分に見学をして、そして自分に合った部に入部するのだよ?」


「 「 「 はい、分りました!! 」 」 」



 こうして、ヒトヤン達五人は名染伊学園長と別れ『文化部』が活動している『別館』へ入って行くのであった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ