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第14話 携帯持てよ!

「お―――――――い、三人共~っ!! ここで何をしてるんだよ~っ!? もうすぐ入学式が始まるよ~っ!!」


 『タイタイ』こと『名染伊太一郎なぞめいたいちろう』が慌てた顔をしながら三人の事を呼びに来たのである。


「おっ、タイタイ!! そうなんか? もうすぐ入学式始まるんかいな?」


「おい、ヒトヤン? タイタイと会うのも久しぶりじゃ無かったのか? 感動の再会を期待してたのにさ……やけに普通の対応じやないか……」


「ああ、タイタイとは昨日、会ってるねん。『名染伊太寮』に昨日、引っ越ししてきたんやけど、タイタイが手伝いに来てくれてなぁ。まぁ、そん時に感動の再会は終わっとるねん」


「へぇ、そうなのか……っていうか、太一郎!! 何で俺達に言わなかったんだよ!? 言ってくれたら俺達も引っ越しの手伝いに行ったのにさ……」


 ケシケシは少し不貞腐れた表情をしながらタイタイに言ってきたのでタイタイは頭を掻きながら申し訳なさそうに……


「ご..、ごめんよぉぉ……ヒトヤンから何時にこっちに来るって連絡無かったから、いつ来るのか全然分からない状況で君達を呼ぶのは申し訳ないかなと思ってさ……」


「ふーん..、そういう事か……で、太一郎は何時に寮にいたんだ?」


「えっ? ぼ、僕は朝八時位だったかな……」


「で、ヒトヤンは何時に寮に来たんだ?」


「ああ俺か? 俺は……たしか寮に着いたのは夕方の四時位やったかなぁ……」



「 「 オイ、ヒトヤン!! それは太一郎が可哀想過ぎるだろっ!! 」 」


 ケシケシとロミロミが同時に突っ込んだ。


「まぁ、ヒトヤンの事だからそうかなって思ったけど、まさか本当にそうだったなんて……」


「っていうかお前は未だに携帯を持っていないのか!? 太一郎からは、この一年近くずっと『文通』してたって聞いていたけど……」


「『文通』?? 俺は一度もタイタイに返事を書いた事なんて無いで~。定期的にこっちの情報をもらってただけやしな……」


「それってダイレクトメールと変わらないじゃないかっ!?」



「まぁ、そんな事より早く入学式に行こうや。早く行かんと初日から遅刻になるでっ!!」



「 「 ヒトヤンだけには言われたくないセリフだわっ!!!! 」 」



 こうして入学初日から騒がしいヒトヤンとこれから三年間一緒に過ごす事になるであろう彼等との学園生活が始まるのであった。


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