第11話 一緒に行こう!
タイタイから来た手紙は『名染伊太学園』への入学の誘いで会った。
果たして、ヒトヤンはどうするのか?
「お―い、ヒトヤン! 急に呼び出してどないしてん!?」
ヒトヤンに呼び出されたコメコメは不思議そうな表情でヒトヤンに質問をした。
「お~、急に呼び出して悪いな、コメコメ……」
「ヒトヤンにしては、なんか、辛気臭い顔しとんな。何かあったんか?」
コメコメは今度は少し心配した表情でヒトヤンに問いかけてきた。
「いや~、俺にしては珍しく、メチャクチャ大事な話があってなぁ……」
少しだけ笑顔で答えるヒトヤンをコメコメは作り笑顔だと直ぐに分かったが、それには触れずにヒトヤンの話を聞く事にした。
「実はな、こないだ京都で会った、タイタイっていう奴おったやろ? で、そのタイタイから手紙が来たんやわ……」
「へぇ、タイタイから手紙かいな!? でもまぁ、ヒトヤンは携帯持ってへんから連絡しようと思ったら家電するか、手紙出すかしか方法はないもんなぁ……」
「ああ、そうや。それで手紙と一緒に東京の高校案内のパンフレットも入っとってん」
!!!!
コメコメは今のヒトヤンのセリフでピーンッと来たが、とりあえず黙って話の続きを聞く事にした。
そしてヒトヤンはコメコメにタイタイの祖父が理事長で父親が学園長をしている『名染伊太学園』の事や、その学園には全国から面白そうな人間が集まって来る事などを目を輝かせながら説明していった。
「んで、あれやろ、ヒトヤン? お前はその高校に行きたくなったんやろ? そういう事なんやろ?」
「えっ? まぁ、そうやなぁ……凄く興味を持ったわなぁ……全国から一体、どんな奴等が集まってくるんやろかって考えたら、メチャクチャ興奮して夜も寝られへんかったわ」
「そやろな。ヒトヤンの性格やったらそうなるわな。それでお母さんはその事、知ってるんか?」
「ああ、知ってるで。母さんも俺が行きたいんやったら反対はせぇへんって言ってくれたわ!」
「ふーん、そりゃ良かったやん。ほんなら何も心配せんと、その『なぞめい、なんちゃら学園』に行けるやん!!」
「まぁ、そうなんやぇどなぁ……でも本題はここからやねん!!」
今まで笑顔で話をしていたヒトヤンがまた急に珍しく真剣な表情になり、コメコメは一瞬息を呑んだ。
「なっ、なんやねん? 急に真剣な顔して? お前には全然似合えへんで!!」
「いや、ここからの話は真剣に話せなあかんねん!!」
「なんか今までが冗談やったみたいな言い方やな?」
「違う違う。冗談では無かったけど、もっとマジな話やねん!!」
「ふーん。で、その『マジな話』って何やねんな?」
「コ……コメコメ、どやろか? お前も一緒に『名染伊太学園』に行かへんかっ!?」
「えーっ!? 俺がか!?」
コメコメはヒトヤンの言うことにめちゃくちゃ驚いた。
「そうや!! お前も一緒に行ってくれた方が俺もボケやすいし、全国の奴等を相手しなあかんからお前の頭脳も必要となってくるかもそれんし……それに一緒の方が楽しいやん!!」
「・・・・・・」