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第10話 タイタイって凄い家やん!

『拝啓、ヒトヤンお元気ですか。僕はヒトヤンのお陰であれからとても元気になりました。性格は暗いままだし、大石達には今もよくイジメられてはいるけど、僕の事を理解してくれる人が一人でも居てくれるというだけで僕の心は前よりも少しだけ強くなれた気がするよ。これもあの時、ヒトヤンが助けてくれたお陰です。本当にありがとう。とても感謝しています。』


 そんな、感謝やなんてぇ……

 俺別に大したことなんもやってへんのに、照れるやんかぁ……


『実は僕のお父さんは『名染伊太学園なぞめいたがくえん』の学園長をしていて僕も来年の春からこの学園に通う事になっています。この学園はちょっと変わったところがあって学園創設者で理事長でもある僕のお爺ちゃんの方針で全国から色々な人が集まる学園です。』


 タイタイの家族、メチャクチャ凄いやんかっ!!


『東京に戻ってからお父さんにヒトヤンの話をしたら、是非、ヒトヤンに会いたいと言っています。そしてもしヒトヤンさえ良かったら名染伊太学園に来ないかとも言っています。勿論、特別枠で入学金も学費も免除にするから是非うちの学園に来て欲しいとも言ってくれています』


 えっ、え―――っ!?

 何やて――――――っ!!??


 お、俺に名染伊太学園に入学してほしいやて!?

 それも入学金も学費も免除って……メチャクチャ凄すぎるやんかっ!!


『僕も出来る事ならヒトヤンには是非、名染伊太学園に来て欲しいなぁと思っています。僕にとっては唯一の理解者が同じ学園にいてくれるのはとても心強いなぁと……でもそれはワガママ過ぎるという事は十分に分かっているので無理にとは言わないけど……でも本音を言えば是非とも僕と一緒に名染伊太学園に通って欲しいです。なので学園のパンフレットを送ります。まだ時間はあるのでゆっくり家族の人とも相談して考えてみてください。良い返事を心より待ってます。タイタイより』


 イヤイヤイヤイヤ~ッ!!


 この俺が東京の高校やなんて、あり得へんやろっ!!

 

 このコテコテの大阪弁が東京の奴等に通じるんか!?


 でもこないだの奴等にはある程度通じてたよな。

 メチャクチャ受けてたし……


 それに全国から集まるんやったら色んな地方の方言が入り混じってるやろうから大阪弁だけが浮くって事はないかっ!?


 でもなぁ……


 イヤイヤイヤイヤ~ッ!!


 それでも俺みたいなのが東京ってのはなぁ……

 

 ただ、入学金も学費も免除ってのはメチャメチャ魅力的やなぁ……

 学生寮もちゃんとあるみたいやし、うちは裕福な家庭ちゃうしな。


 この条件で高校行けたら母さんも少しは楽になるやろなぁ……

 でも俺が東京行ってもうたら、母さん寂しがるかなぁ……


 ヒトヤンが珍しく悩んだ表情をしているので母もその手紙を読んでみた。

 そして読み終わると母はヒトヤンにこう言ってきた。


「一志。アンタがこの学園に興味を持って行きたかったら母さんは別に反対はせぇへんよ。ただ、入学金や学費が免除やからそれで母さんが助かるからという理由だけで学園に行こうと思うなら母さんは反対するで!! 母さんはアンタが行きたい学校があるんやったら学費が高かくても何が何でも行かせてあげるつもりでおるんやから! 親の事は気にせんでええねん! 親というのはそういうもんやねん! 子供のうちは親に迷惑かけて当たり前やねんから!」


 か、母さん……有難う……


 正直、学費免除とかも魅力はあるけど、やはり全国からいろんな奴が集まってくるってのが俺にとっては凄く魅力やねん。


 なんか考えただけでもワクワクしてくるしな。

 もしかしたら俺よりおもろい奴おるかもしれんしな!!


 まぁ、おらんやろうけど……


「母さん、ちょっと父さんに相談してくるわっ!!」


「あぁ、そうしぃ……」





 チ―――――――――ン……


 


 父さん……

 俺、東京に行ってええやろか?

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