第1話 京都へ行こう!
平成〇年〇月〇日……
平日の昼間に二人の中学生の少年が京都駅で下車をする。
「お~っ! これが京都の街並みか~っ!? やっぱテレビで観るより生で観る方が良いなぁ……」
「ホンマやなぁぁ、でも俺等、学校サボって京都に来てるんやで。マジで大丈夫なんか? 補導とかされんへんやろか?」
「今更、何言うとんねん! お前が学生服着て京都行ったら修学旅行生に見えるから絶対大丈夫やって言うから、それを信じて京都に来とるんやでっ!!」
「何、俺のせいにしとんねん!? 『学校サボって京都に行こう』って言い出したんは『ヒトヤン』やんけっ!!」
この『ヒトヤン』と呼ばれる少年の名前は『丘司那一志』といい、友人達からは『ヒトヤン』と呼ばれている。
彼は身長こそそんなに高くはないが、顔は目鼻立ちが整ったそこそこ男前の少年で髪の色は少し茶色がかっている。そして前髪が少しだけはねているが、それはおそらく寝ぐせである。
「ハハハ! そうやったか?」
「アホかっ! 何が『そうやったか?』やねん!!」
「まあ、そんな細かい事はどうでもいいやん。せっかく京都に来たんやから、観光がてら、地方から来た修学旅行生の女子でもナンパしようや!!」
「えーっ!? ナ、ナンパって……俺等みたいな中三がナンパなんかできるんか!?」
「『コメコメ』、お前、何言うとんねん!? お前の『顔』と俺の『しゃべり』があれば怖いもん無しやん!! 特にお前の顔は腹が立つくらい最強の武器やで!!」
そして『コメコメ』と呼ばれる少年は『ヒトヤン』とは幼馴染で名前は『仁見孔明』といい、身長は中学生にして百八十センチもあり、青髪の超イケメンで、どこから見ても中学生には見えない風貌の少年である。
「そんな甘いもんちゃうやろナンパって……? 俺はナンパなんかより、神社仏閣にお参りして『御朱印』を貰いたいんや!!」
「『御朱印』?? なんやそれ?」
「お前、『御朱印』も知らんのかいな? 『御朱印』っていうのは神社仏閣にお参りしてから、そこの宮司さんやお寺の人に、参拝した証として『御朱印帳』に朱印を押してもらうんや。その後に筆で参拝日を書いてもうたりして、その朱印が各神社仏閣で全然違うから、見てて凄く楽しいし、記念になるんや」
「ふ~ん。しかしお前、めっちゃ地味な趣味やなぁ……。それとその『御朱印』ってのは簡単に言うたら『スタンプラリー』みたいなもんなんやんろ?」
「じっ、地味な趣味で悪かったなっ!! それに『スタンプラリー』と神聖なる御朱印収集と一緒にせんといてくれっ!! 俺の予想ではこれから『御朱印』はメチャクチャ流行ると思ってるんや!! バカにできるのは今の内だけやぞっ!!」
「そうなんや。まぁ、コメコメの予想って、結構当たるからなぁ……。でも俺は絶対やらんけどな!!」
「やらんでええわ!!」
京都に到着早々、二人はいつもの様なやり取りをしていたが、ヒトヤンと呼ばれる少年が向こうの方から歩いてくる制服姿の少女達に気がついた。
「オイ、コメコメ! あの女子の集団見てみ。あれは絶対、東京の子やで。なんか俺達に無い『品』みたいなもんがあるで!」
「オイオイ…。自分で『品』が無いのを認めるなや。それに『俺達』ってなんやねん!? 『品』が無いのはお前だけや!!」
「まぁ、そんな事はどうでもええねん。早速、あの『東京女子』達をナンパしようや!」
「えっ!? もう、ナンパするんかいな? それに彼女達が『東京女子』とは限らへんやん!! そ、それと俺、心の準備が全然できてへんねんけど……」
コメコメがそう返答をしている途中でヒトヤンは気にせずに彼女達に近づいていく。
「俺の話を聞けや、ヒトヤン!!」
お読み頂きありがとうございます。
作者のNOVです。
この作品は『美女だらけの『ネガティ部』に入部したけど『普通』の俺がついていけるのか!?』の主人公、『布津野一矢』の父親『布津野一志(ふtのひとし)』の若かりし頃のお話です。
なのでこの作品は『ネガティ部』を読まれた事のある方からすれば、いくつかの謎が解けてスッキリするストーリーになっているかもですよ(笑)
更新は不定期になりますが、どうぞ本作も何卒宜しくお願い致しますm(__)m
また、面白ければ☆(評価点)、面白く無くても(笑)ブックマークだけでもして頂ければ私とすればやる気スイッチが入り、面白い内容がサクサクと書ける様な気がしますので、何卒宜しくお願い致しますm(__)m