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3/3

???

もはや更新は無いと思っていたでしょう?私もそう思っていました

 好き…嫌い…好き…嫌い…好き…嫌い…




 女の声だろうか。小さいが、確かに声が聴こえる。




 女は片手に綺麗な花を持ち、もう片方の手で花弁を千切っていた。俗に言う花占いである。誰を占っているのだろうか。




 好き…嫌い…好き…嫌い…




 連続するリズム、それは恋の詩。そして遂に最後の花びらが宙を舞った…



 と思われたその時、突如後ろから何者かが優し気に花を掻っ攫った。女が後ろを向くと、そこにはやわらかい笑顔を携えた男が立っていた。


「まったく、僕の気持ちを勝手に推し量るのはやめてくれよ」


「いいえ、貴方ったら最近素っ気ないんだもん。お花にだって聞きたくなっちゃうでしょう?」


 女は少し寂しげに笑った。


 それを見た男は少し申し訳なさそうな表情をしてこう言った。


「…本当は、君をびっくりさせてあげたかったんだ。寂しい思いをさせて申し訳なかったよ」


 男はそのまま片膝をつき、手を女に向けて差し出した。その手の中には…




 女は涙を流す。しかし、それはそれはうれしそうだ。


「僕と、結婚してください」


「はい、喜んで。不束者ですがこれからもよろしくお願いします」




 …残った花弁が『好き』だったのか『嫌い』だったのか。それは誰にも分からない。だが、それでいいのかもしれない。もはや女に花占いは必要ないのだから…

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