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好き
好き…嫌い…好き…嫌い…好き…嫌い…
女の声だろうか。小さいが、確かに声が聴こえる。
女は片手に綺麗な花を持ち、もう片方の手で花弁を千切っていた。俗に言う花占いである。誰を占っているのだろうか。
好き…嫌い…好き…嫌い…
連続するリズム、それは恋の詩。そして遂に最後の花びらが宙を舞った…
「好き!…なのに…なのに…!!」
女は大きな声で叫んだ後、身体を震えさせ始めた。
「どうして死んでしまったのよ!来月に結婚式を挙げようって言ってたじゃない!」
女が居た場所…そこは墓前だった。
泣き噦る女の声ばかりが、誰も居ない墓場に響いていた…
墓前END
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