6−13
「さようなら♪」
ポロニアスの言葉に、背筋に寒気が走る。
キリエは避けねばと思いつつも、先の水の弾丸のダメージが拭えず、膝をついたまま動けなかった。
(ここまでなの……)
キリエが諦めかけたそのとき、ポロニアスの背後から迫り来るものが目に入った。
それは、ナナの大太刀だった。
「がっ……!」
大太刀がポロニアスの右腕を切り裂く。
翳されていた右手は水の塊を現出することなく、地に落ちた。
「きさ……まぁ……!」
ポロニアスが背後を振り返り、怒りを露わにする。
その先には、目を覚ましたナナの姿があった。
「ナナ!」
キリエが叫ぶが間に合わない。
ポロニアスは一瞬でナナとの距離を詰め、左腕でナナを貫いた。
「ナナーっ!」
キリエが悲痛な叫びを上げる。
だが、貫かれているはずのナナは、にっこりと笑った。
ナナから手を引き抜いたポロニアスが、一歩、二歩と後ずさる。
何かに怯えるように後退する。
胸を貫かれたはずのナナは、何事もなかったかのように立っている。
溢れるはずの血ですら、一滴も零れていなかった。
「なに? どうなって……?」
キリエが疑問を口にする。
だが、それに応える者はなかった。
ポロニアスはもう数歩後ずさっている。
ナナは、一歩、二歩とポロニアスに歩み寄り、何かを話していた。
次の瞬間、ナナがポロニアスとの距離を一気に詰め、攻撃を放った。
攻撃はただの掌底に見えたが、ポロニアスは想像以上に吹っ飛び、こちら側に向かって飛んできた。




