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異能園〜いのえんへようこそ〜  作者: あみるニウム
第六章「異能決戦」
59/67

6−12

『ナナ……、ナナ……』

 どこかから声が聞こえる。

 ナナは意識だけで、その言葉に耳を傾ける。

『ナナ……、聞こえますね、ナナ……』

 頷こうとするが、身体が動かない。

 だが、声はナナの反応を待たずに、話を続けた。

『ナナ、あなたの力が必要なときが来ました。アルスに解放された、あなたの力を必要とするときが』

 ナナは何のことかわからなかった。

 確かに父であるアルスに力を解放すると言われはしたが、それが何なのかは把握していなかった。

『ナナ、あなたは人間ではありません』

 声は尚も続ける。

『あなたは、人間ではなく、器です。四天王ガヴラウル……私の力を、この世界に留めておくための器です』

 そういえば、父さんが言っていた気がする。

 力を解放するということは、人間ではなくなるということだ、と……。

『今、あなたの仲間が、ポロニアスと戦っています。ですが、ポロニアスは普通の攻撃ではダメージすら与えられません。必要なのはあなたの力……、ガヴラウルの器たる、あなたの武器としての力です』

 眩い光が眼前に広がる。

『さあ、目覚めなさい。目覚めれば、全てが整います』

 光は強さを増し、ナナの身体を包み込んだ。

 次の瞬間、ナナの意識は完全に覚醒する。

 ナナはゆっくりと起き上がり、周囲を見渡した。

 そこは、凄惨たる状況が広がっていた。

 赤林、ジン、見たことのない少年が、血溜まりの中に倒れていた。

 しばらく周囲の観察を続けていると、急に粉塵が辺りを覆う。

 ナナが何事かと目を凝らすと、ポロニアスと対峙するキリエの姿があった。

 二人は何かを話しているようだった。

「キリエさん……」

 ナナは思わず声を零す。

 だが、ポロニアスはもちろん、キリエにもその声は届かなかった。

 話が終わったのか、ポロニアスが手を翳す。

 その手先に、大きな球体が出現した。

 その塊は一直線にキリエへと向かう。

 そして、キリエの目の前で大きく弾け飛び、周囲に無数の水鉄砲を噴出した。

 キリエはその直撃を受け、膝をついた。

 ポロニアスがトドメを刺さんと再び手を翳したところで、ナナはようやく状況を把握した。

(まずい……!)

 ナナが思ったときには、身体は勝手に地に手をめり込ませていた。

 そして、自身の武器たる大太刀を現出させ、ポロニアスに向けて思い切り放り投げた。

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