6−10
「あんな!」
赤林とジンのお陰でポロニアスと距離ができると、すかさずキリエはあんなの元へと走り寄った。
リオも同様に走り寄り、すぐさま脇に屈んで治療を開始した。
「へへ……、油断……しちゃいましたぁ……」
あんなが言う。
キリエは首を横に振り、あんなの言葉を制した。
「いいから、喋らないで。大人しく治療を受けていて」
キリエが言うと、あんなはだまって治療を受ける。
少しして、リオが治療を終え、言った。
「これで傷は塞がったはず。でも、あんなは無理をしないで。マリアたちのところで休んでて。あそこにはぼくの張った結界があるから」
あんなは力なく頷くと、よろよろと立ち上がり、マリアたちがいる木陰へとフラフラしながら歩いていった。
「さて……」
リオがもう一人の倒れる学生、ナナへと歩み寄る。
あんなのとき同様傍に屈み、手を当てると首を横に振り、立ち上がった。
「ナナに外傷はない。目を覚ますのを待つしかないね……」
リオはそう言って、キリエの元に戻ってきた。
「とにかく結界だけは張って、ぼくらも戦線に……っ!」
突然、リオがキリエを突き飛ばした。
キリエは何をされたのかわからずそのまま飛ばされた。
「ちょっとリ……オ……?」
そこには黒い手刀に串刺しにされるリオの姿があった。
手刀の主はゆっくりと手を抜くと、血に染まった手を舐めた。
「ポロ……ニアス……!」
キリエが怒りを滲ませながら手刀の主、ポロニアスを睨んだ。
ポロニアスは顔を楽しげに歪ませながら、こちらを見ていた。




