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異能園〜いのえんへようこそ〜  作者: あみるニウム
第六章「異能決戦」
54/67

6−7

『赤林が気づいてくれたみたいだ』

 肩に乗るリオが話しかけてくる。

 キリエは頷き、そそくさと目的地への移動を済ませた。

 ナナの姿をしたポロニアスから死角となる位置に身を隠し、キリエは機を伺う。

 まもなく、ナナと赤林たちの戦闘が始まった。

 ポロニアスは戦闘に集中していて、こちらに気をやる様子はない。

 今しかないと、キリエは行動に移った。

 横たわるポロニアス本体との距離を一瞬にして詰める。

 そして、創出した短剣に雷を纏わせ、ポロニアスへと突き立てた。

「──があっ?」

 苦痛に歪む声が聞こえる。

 うまくいったと思った瞬間、背筋に寒気が走って、キリエはナナに向き直った。

 そこには殺意をむき出しにしてキリエを睨むナナの姿があった。

 キリエは一瞬怖じ気づきそうになったが、頭を振って切り替える。

 そして、再び短剣を本体に突き立てんと振りかぶった。

 だが、次の瞬間、本体が蒸気に包まれたかと思いきや、そのまま霧となって消えた。

「やってくれるじゃねえか……」

 元の身体に戻ったポロニアスが、キリエから少し離れた位置に出現した。

 その声には、明確な怒りが滲んでいた。

 仲間たちがキリエの元へと駆け寄る。

 そこには、ジンに抱えられて気を失う、ナナの姿もあった。

「やっぱり先に始末しておくべきだったか」

 ポロニアスがキリエたちから視線を外し、木陰で座り込むマリアたちへと向ける。

 次の瞬間、忽然とポロニアスの姿が消えた。

「しまった……!」

 キリエが振り返る。

 その先には、木陰にて横たわるアルスと傍に控える龍、そして、その脇に屈むマリアの姿があった。

 その横にポロニアスが姿を現す。

 だが、治療に集中しているためか、マリアは屈んだ姿勢のまま身動き一つしなかった。

『くっ……、仕方ないか……』

 キリエの肩に乗っていたリオの声が響く。

 そして、ひょいと肩から降りると、その身体が光に包まれた。

 次の瞬間、見たことのない少年がその場に現れた。

 病的に肌が白く、手足の細い少年が。

「説明は割愛するよ。今はマリアを助けないと」

 少年はそう言うと、手をかざした。

 すると、その手先に、渦巻く竜巻が出現した。

「はっ」

 少年の声の応じて、竜巻がポロニアスへと向かう。

 ポロニアスは即座に竜巻の接近を察知し、大きく横に飛び退いた。

 竜巻はそのままマリアへと向かう。

 マリアたちの眼前にたどり着いた竜巻は、突如として形状を変え、保護するかのように彼女たちを包み込んだ。

「ちっ……」

 ポロニアスの舌打ちが聞こえる。

 ポロニアスはゆっくりとこちらを睥睨し、怒気の孕んだ声で言った。

「君たちは本当に邪魔だなあ。邪魔にもほどがある。いい加減お遊びはやめにしよう」

 そして、ゆっくりと、キリエたちへと歩み寄ってきた。

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