6−6
(考えろ、考えろ……。どうすれば良い? どうすればこの状況を打開できる?)
赤林は必死に頭を回転させた。
だが、どれだけ考えても、解決策は見出せなかった。
そのとき、ふと、背後から爽やかな風が吹く。
その風に違和感を覚え、ポロニアスから視線を逸らさないまま、意識を背後へと向ける。
すると、先ほどまで倒れていたキリエと、その介抱をしていたリオの気配がないことに気がついた。
(あいつら、どこに行った? 逃げた……はありえないな。だとしたら……)
何か打開策を見つけたに違いない。
赤林はそう確信して、武器を構えた。
「おや、やる気なのかい?」
ポロニアスが意外そうに言った。
「ああ、お前を屠れるなら、乗っ取られたナナも本望だろうよ」
赤林はそう言いながら、ジンとあんなに目配せをする。
二人は首肯すると、同じく武器を構えた。
「ふむ……、まあ仕方ないかあ♪ あいつは力を貸してくれないみたいだけど、これで十分だよね」
そう言うと、ポロニアスは手刀を構えた。
次の瞬間、戦闘の火蓋は切って落とされた。
先ほど同様、あんなが防御結界を展開し、赤林とジンが攻撃を繰り出す。
もちろん、手を抜くことなどなく、全力で向かった。
手を抜くようなことがあれば、確実にヤられる。
赤林たちにはその確信があった。
「うーん、なんだこの子? すごく弱い」
攻撃を避けながら、ポロニアスがぼやくように言った。
「あいつを扱える力量を持ちながらこんなに弱いって、どういうことなんだ?」
ポロニアスは尚もブツブツと独りごちる。
赤林とジンは、もちろん答えなど持ち合わせておらず、ポロニアスの疑問を受け流した。
「まあ、君たちを屠るのには十分か。そろそろ良いよね?」
言うや否や、ポロニアスが二人から距離を取る。
そして、姿勢を低くして、瞳をぎらつかせた。
「終わりにしよ──があっ?」
突如として、ポロニアスが苦悶の表情を浮かべる。
「貴様ぁ……!」
そして、赤林たちではない、誰かを睨みつけた。




