6−2
「幻魔生物の相手は俺らがやる。お前たちはあいつを何とかしろ」
会長はそう言うと、学園生会の面々に号令をかけ、幻魔生物の群れへと駆けた。
キリエたちは顔を合わせ頷くと、ポロニアスに向き直った。
「さあ、おいで」
ポロニアスが手招きする。
「せやあああ」
まずはキリエが、大声を張り上げながら凄まじい速度でポロニアスとの距離を詰め、斬りかかった。
だが、ポロニアスは事もなげにそれを躱す。
その位置に走り込んでいたジンが、掌底を放たんと構えた。
ポロニアスはチラとジンを一瞥すると、バク転をするようにしてそれを避ける。
その先には、剣を振りかぶった赤林が待ち構えていた。
「俺たちを舐めたことを悔いろっ」
赤林が叫びながら剣を振り下ろす。
だが、ポロニアスが真っ二つに切れたと思いきや、雲のように消えた。
「なるほど、なるほど」
少し離れたところから、ポロニアスの声が聞こえる。
全員が視線をそちらに動かすと、無傷のポロニアスが立っていた。
「マルアージュが誇っていただけはあるようだ。実に惜しい。人間であることが、本当に惜しい」
ポロニアスは一歩近づくと、大手を広げながら言った。
「なあ、君たち、ぼくの配下にならないか?」
キリエたちは何を言われたのか一瞬わからず戸惑った。
だが、すぐに正気を取り戻し、キリエが吠えるように言った。
「ふざけんじゃないわよっ、誰があんたなんか……」
「ふぅん……、残念だなあ……」
いつの間にかキリエの目の前にいたポロニアスが、耳元で囁くように言った。
次の瞬間、ポロニアスは回し蹴りを繰り出し、キリエを吹き飛ばした。
『キリエちゃん』
すぐさまリオが吹き飛ばされたキリエを追った。
軽く蹴られただけのように見えたが、キリエの吹っ飛び方を見て、全員がその威力を察した。
そして、武器を構えた。
「君たちも従う意思はない、か……。残念だなあ、本当に残念だ」
いつの間にか、ポロニアスは元の位置に戻っていた。
ポロニアスは俯くが、そのまま上目づかいに睨みつけた。
「じゃあ、死んでおくれ」




