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異能園〜いのえんへようこそ〜  作者: あみるニウム
第五章「異能実践」
45/67

5−11

「どうして……、どうして出せないのっ……!」

 ナナの悲痛な叫びが響く。

 既に、学生たちとアポカリプスとの戦闘は始まっていた。

 全員がアポカリプスの元へ駆けていく中、ナナだけは武器を出すことすらできず、地面と睨めっこをしていた。

「出てよっ、お願いっ」

 ナナの叫びは続く。

 だが、どんなに強く押しつけても、ナナの手は地にめり込むことがなかった。

 何度やっても、どれだけ力を込めても、地面はウンともスンとも言わなかった。

「苦労しているようですね、ナナ」

 突然、横から声が聞こえた。

 ナナが驚いて顔を上げると、そこには姿を眩ましていたアルスがいた。

「父さん!」

 ナナが嬉しそうに叫ぶ。

 アルスはナナの頭を愛おしそうに撫でた。

「ナナ、戦いたいですか?」

 アルスが尋ねる。

 その問いに、ナナは間髪入れずに答えた。

「戦いたい……、みんなと一緒に戦いたい……!」

 ナナの言葉には力が籠もっていた。

 仲間たちと共に戦う決意が滲んでいた。

「……よろしい。では、封印を解いてあげましょう。でも、これだけは忘れないでくださいね。力を解放するということは──」

 アルスがナナのおでこへと人差し指を当てながら言った。

 次の瞬間、ナナの身体に何かが駆け巡った。

 その衝撃で、ナナの身体がビクンと震える。

 そして、ナナの心に確信が生まれた。

 今なら、アレを出せる、という確信が。

 ナナが手を地に着き、何かをつぶやく。

 自分でも意識していない間に、呪文のようなものを唱える。

 すると、ナナの手が地にめり込んだ。

 そして、引き出したときには、その手には大太刀が握られていた。

「やった! やったよ、父さ……ん……?」

 ナナが喜びを報告しようとした相手はいなかった。

 辺りを見回しても、どこにもその姿はなかった。

「……父さん、がんばるね!」

 ナナは誰に言うでもなくつぶやいた。

 そして、一目散にアポカリプスの元へと駆けた。


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