5−6
「はあ、はあ、はあ……」
キリエの息は完全に上がっていた。
他の戦っている学生たちも、満身創痍と言った様子だった。
「あと……、ちょっと……」
だが、その甲斐あってか、幻魔生物の数は両手で数えられるほどにまで減少していた。
キリエはグッと短剣を握り締めて、気合いを入れ直した。
「たたみかけるわよっ」
「言われなくてもやってやらあ!」
キリエの叫びに赤林が応じる。
そして、ジンも含めて、三人は同時に飛び出した。
あんなの光の矢とリオの風の刃が三人を追い越すように駆ける。
三体の幻魔生物に矢と刃が命中すると同時に三人はそれぞれ別の幻魔生物へと攻撃を加えた。
しばらくの攻防ののち、幻魔生物が消滅する。
三人は一息吐くと、残りの幻魔生物へと目を遣った。
そこには、会長率いる学園生会の戦う姿があった。
学園生会の戦いはそれは見事で、あっという間に残りの幻魔生物も姿を消した。
「終わったか」
赤林がつぶやくと同時に、キリエとジンも肩の力を抜いた。
離れていたリオ、あんな、ナナもその場に集い、ホッと一息吐いているようだった。
「よくやってくれた」
幻魔生物の処理を終えた会長が歩み寄ってきた。
六人は畏まるように姿勢を正した。
「お前らがいなければ危なかった。感謝する」
会長が頭を下げる。
「そ、そんな、頭を上げてください! 私たちはマリアに連れてこられただけですし、学園生会の皆さんと比べたら倒してる数も少ないですし……」
キリエが恐縮しながら言う。
だが、会長は首を横に振って続けた。
「初めての実践でこれだけやれたのなら、十二分な成果だ。誇って良い」
全員が褒められて悪い気はしていなかった。
学園内で最強の学園生会会長に認められて、嬉しくないわけがなかった。
「とりあえず、報告もあるからもう少し付き合って──」
その瞬間、地面が割れるような地震が起こった。
全員が足元を救われるようにその場に膝をついた。
「なに……?」
キリエが呟くと、再度大きな地震が起こる。
その場にいた全員が何事かと辺りを見回していた。
「いやいやいや、素晴らしい。流石は我が校の学園生会と新入生のエースたちです!」
すると突然、どこからか声が聞こえた。
声と一緒に、拍手の音も聞こえてきた。
「これほどの力を持っているならば、もう十分でしょう」
全員が声の出所を探るが、一向に人の気配がない。
皆が警戒心を顕わにしている中、先ほどまで地に手をつくだけだったナナが叫んだ。
「……父さん!」




