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「ふぅん……、やっぱりすごいなあ、この学園は……」
目を閉じ、ベッドに横たわりながら黙り込んでいた少年は、感慨深げにつぶやいた。
「ここなら、あるいは……」
続けて何かをブツブツと言っていたが、
「……あれ?」
と突然つぶやき、閉じていた目を開いた。
だが、そこはいつもと変わらない、自分が物心ついたときから過ごしてきた、自室という名の牢獄に相違なかった。
何も変わったところはない。
物の配置一つ変わらず、相変わらず人の気配すらなかった。
「おかしいな……、急に遮断されるなんて……」
もう一度目を閉じ、何かに集中する。
「あ、見えた見えた。なんだったんだろ?」
目を閉じたまま、少年は疑問を口にする。
だが、それに応える声はなかった。
「あ、もしかしてこれかな? まあ、詳しくは追々調べよう。とりあえずは、式を見守らないとね」
少年は目を閉じたまま、何かに集中するように、再び黙り込んだ。




