5−4
「ああ、もうっ、キリがないっ」
キリエが幻魔生物を斬りつけながら叫んだ。
『本当に、どれだけいるんだろうね』
杖から風を起こし、幻魔生物に攻撃を加えながらリオが同意する。
「わかんねえがやるしかないだろうが」
赤林も言いながら別の幻魔生物へと走り込み、斬撃を放つ。
ジンとあんなも、それぞれの武器で、別の幻魔生物戦っていた。
「それより、ナナ! あんたまだ出せないのっ?」
戦っていた幻魔生物を屠ったキリエが、大きく飛んでナナの横に降り立った。
ナナは地に手をついたまま、うんうん唸っていた。
「うう、ごめんなさい、ごめんなさい」
ナナは何度も地に手を押しつけるが、先の戦いのようにめり込まない。
開戦当初は大太刀を手に取っていたが、数撃を放っただけでそれは消失してしまった。
そのあと、ナナは地面との睨めっこを余儀なくされていた。
「どうにもならなかったってのはこのことだったのね」
キリエが歯をギリと噛みしめた。
「はい……」
対して、ナナが申し訳なさそうに応えた。
「悪いな。理事長から扱えるようにしてやってくれとは頼まれていたが、流石にあの期間だけではなんともならなかった」
ナナの横に立つマリアが周囲を睥睨しながら言った。
キリエははあとため息を吐くと、同じように幻魔生物に向き直った。
「まあ、出せないものは仕方がないわ。ナナは一刻も早く出せるようにがんばって。マリア、ナナのことは頼んだわよ」
キリエは言い終えると再び幻魔生物の渦中に舞い戻った。
ナナは泣きそうになりながら地に手を押しつけていた。




