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異能園〜いのえんへようこそ〜  作者: あみるニウム
第五章「異能実践」
35/67

5−1

「ちっ、学園生会の連中は何してやがる……」

 客席の一画、講師陣が集うスペースから、マリアがぼやいた。

 おぞましい咆吼を上げる幻魔生物を、鋭い視線で睨んでいた。

「Aクラス以上の担当は幻魔生物の処理を! 他の連中は学生の待避を誘導しろっ!」

「はっ」

 即座にマリアが指示を出し、その場にいた講師陣が動き出す。

 マリアがチラと横に目を遣ると、先ほどまで隣にいたはずの理事長が姿を消していた。

「逃げやがったな、あの野郎……」

 マリアの言葉に怒りが滲む。

 理事長を探しに行くか否かで悩んでいると、

「マリア先生!」

 ふいに名前を呼ばれて我に返った。

 呼びかけたのは、一人の女教員だった。

「……どうした?」

 マリアが努めて冷静に尋ねる。

「そ、その、が、学園生会から、救援要請が……」

 女教員が慌てながらも伝えるべきことを伝えた。

 その言葉にマリアが苦虫を噛み潰したような顔を浮かべる。

「このタイミングでか……。いや、このタイミングだからこそか?」

 マリアが幻魔生物を睨む。

 視線の先の幻魔生物は、いつの間にか、三体に増えていた。

「こっちだって向こうに手を貸せるほどの人手は……、いや、待てよ……?」

 マリアはふと思いついたような顔をする。

 そして、ニヤリと顔をゆがめた。

「わかった、そっちは私が何とかしよう。こっちのことは頼めるな?」

「は、はい!」

「よし、では、ちょっと行ってくる」

 そう言うと、マリアの姿が忽然と消えた。

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