4−11
「ごめん……なさい……」
皆の元に戻ったキリエは力なく言った。
『キリエちゃんは全力を出したんだ、何も悪くないよ』
対して、リオが慰めるように言った。
「そ、そうです! キリエさんはすごく強かったです!」
ナナが拳を胸の前に握りながら言う。
だが、キリエは未だに意気消沈しているようだった。
「あれれ〜、キリちゃん元気がないですねぇ。生理ですかぁ?」
あんなが空気を読まずに言った。
イラッとしたキリエは、声を荒げた。
「んなわけあるかっ! 勝ちの目が潰えて落ち込んでるのよ!」
「え〜、まだナナちゃんがいるじゃないですかぁ。まだ終わってないですよ〜?」
あんながあっけらかんとして言った。
キリエは驚き、何を言えばいいのか逡巡した。
「でも、ナナは……」
キリエがナナに視線を遣る。
他メンバーもナナに視線を送ると、ナナはおろおろとし始めた。
「大丈夫ですよぉ、ナナさんならぁ」
あんなが変わらぬ口調で言った。
あんなはナナの勝利を微塵も疑っていない様子だった。
『……そうだね。ナナくんだって僕らの仲間なんだ。それに、ナナくんだって、特訓は受けてる。ナナくんを信じてあげよう』
リオがあんなに同調する。
ジンも首肯し、賛同を示した。
「……そうよね。マリアはどうにもならなかったって言ってたけど、何もしてなかったわけじゃないものね」
キリエが呟く。
『それなんだけど、どうにもならなかったってのはたぶん……』
「S組奏、W組名無、両者中央へ!」
リオの言葉は審判の召集に遮られた。
「とにかく、あとはナナ頼みだわ。頼んだわよ!」
「はい!」
ナナが元気よく答える。
そして、ステージ中央へと向かって歩き出した。




