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「ごめんね」
仲間の元へ戻ってきた雪村が詫びを入れた。
力なく笑い、申し訳なさを体現していた。
「謝ることはない。雪村はよくがんばったよ。お疲れさま」
赤林が励ますと共に労をねぎらった。
他のメンバーも口々に励ましの言葉を紡いだ。
「これだけは言えるわ。……彼女たちは強い」
しばらく皆の励ましを受けていた雪村が、力のこもった声で言った。
仲間たちは全員首肯し、彼女の言葉に賛同を示した。
「ああ、はっきり言って舐めていた。赤林に忠告されながらも、どこかで舐めていた」
敗北した真田が言う。
「だが、あいつらは歴とした学生だった。落ちこぼれなんかじゃない。残る二人も、強敵だと思った方が良い」
真田の言葉に、次に戦う木村が頷いた。
「次は俺だ。最初から全力で行く。必ず勝ちをもぎ取ってくる」
木村は胸を叩き、任せろと態度で示す。
全員が木村に拳を突き出し、激励を送った。
木村が各々と拳を突き合わせる。
「S組木村、W組黄賀、両者中央へ」
そして、舞台上へと足を踏み出した。




