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4−8
「よくやったわ、あんな!」
試合を終えて帰還したあんなを、キリエが褒め称えた。
「はい〜、特訓の成果が出せました〜」
対するあんなは、満更でもなさそうな様子で答えた。
「あとは私が勝てば……」
キリエが真剣な表情を作る。
グッと拳を握り締め、気合いを入れているようだった。
『キリエちゃん、力みすぎないでね。キリエちゃんなら大丈夫だから』
優しげなリオの声が届く。
「そ、そうです! キリエさんなら絶対に勝てます」
ナナも両の拳をグッと胸元で握り、声援を送った。
「ありがとう。ええ、絶対に勝つわ」
キリエがS組を見据える。
その目には必ず勝つという覚悟が灯っていた。
「S組木村、W組黄賀、両者中央へ」
そして、審判からの召集がかかった。
キリエは大きく深呼吸をしてから、両頬を軽く叩いて再度気合いを入れ、壇上に向かった。
(ジンとあんなの頑張りを、無駄にはしないっ)
キリエは胸中でつぶやき、拳を強く握りながら歩み出た。




