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異能園〜いのえんへようこそ〜  作者: あみるニウム
第四章「異能試験」
27/67

4−5

「勝者、S組赤林!」

 審判のコールが鳴り響く。

 倒れ臥す猫に攻撃を加えようと剣を振りかぶっていた赤林は、コールを聞くなり剣を納めた。

「……くそ猫め」

 満身創痍な様子の赤林は、リオに背を向けてつぶやいた。

 対するリオは、地に寝そべり、動かなくなっていた。

「本当の勝負はお預けだ。これで勝ったなんて思っちゃいねえ」

 最後の攻防を始めんとしたところで苦痛に顔を歪め、その場に寝そべった猫に、赤林は捨てるように言った。

 そして、チームの元へと歩きだした。

 倒れていたリオはゆっくりと体を起こし、赤林だけに聞こえるように、声を飛ばした。

『そうだね、次はお互い、万全の状態で……』

 赤林が一瞬だけ立ち止まった。

「ふん」

 だが、鼻で笑うと、歩みを再開した。

「リオ!」

 心配そうな様子でキリエが走り寄ってきた。

 その後ろには、ナナたちも続いていた。

『ごめんね、負けちゃった』

 申し訳なさそうなリオの声が届く。

 キリエは首を横に振り、

「仕方ないわ、リオはよくやったわよ」

 と慰めた。

 ナナたちも、うんうんと首を縦に振っていた。

『はは、ありがとう。やっぱり彼は強かったよ。でも、まだ勝負は終わっちゃいない』

「ええ、そうよ、まだ負けたわけじゃないわ」

 全員の視線がジンに集まる。

 ジンは力強く頷くと、胸を叩いた。

『任せたよ、ジン』

 キリエに抱えられた猫がゆったりと前足を上げる。

 ジンはそこに軽く拳を突き合わせ、無言で任せろと伝えた。

「続きまして、第二戦を行います。S組真田、W組青野。両者中央へ」

 審判の声が次なる試合の選手を告げる。

 その声に応じて、ジンは無言で中央へと歩み出た。

 キリエたちはステージ外へと退避する。

 相手方から歩いてきた少年が、ジンと対峙し、次の戦いが始まろうとしていた。

「悪いな、W組。この勝負、俺たちの勝ちだ!」

 真田と呼ばれた学生がジンを指差しながら、威勢良く言った。

 ジンは何をするでもなく、無言で拳を構えた。

「ちっ、無視かよ……。まあ、良い。これで、俺たちの二勝だ!」

 真田も剣を創出し、構えた。

「両者、準備は良いですか? ……それでは、第二戦、はじめ!」

 審判が開始を告げるなり、真田はジンに突進し始めた。


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