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異能園〜いのえんへようこそ〜  作者: あみるニウム
第四章「異能試験」
26/67

4−4

 リオの突き出した前足の先から、一陣の風が巻き起こる。

 その風は一目散に赤林の元へと駆け抜けた。

 赤林が風を防ぐように剣を縦に構える。

「くっ」

 だが、風の刃は剣と接触した瞬間に二つに割れ、赤林の両腕に襲いかかった。

 風の刃を受けた両腕にうっすらと血が滲む。

 赤林はギリと歯をかみしめ、リオを睨んだ。

『なんだい? 大口を叩いといてその程度なのかい?』

 リオの声が赤林の耳元に届く。

 赤林はニヤリと不敵な笑みを浮かべてつぶやいた。

「舐めるな」

 言い終えるや否や、赤林の剣が虚空を切った。

 刹那、突き出していたリオの前足から血が噴き出した。

 リオは驚いて後ろに飛び退く。

 そして、観察するかのように相手を睨んだ。

「てめえこそ、その程度か? だったら、拍子抜けにもほどがある。本気を出せ、話はそれからだ」

 赤林は剣を肩にかけながら見下すように言った。

『なるほど……、これは一筋縄じゃ行かなそうだ』

 対してリオは、猫の目をぎらつかせ、負傷したのと逆の脚で宙一薙ぎした。

 すると、一本の杖がリオの前に出現した。

 その杖からは、尋常じゃない異能の力が漏れ出ていた。

『後悔しないでね、僕に本気を出させたことを』

「ほざけ。てめえこそ後悔するんじゃねえぞっ」

 言い終える否や、赤林が駆けだした。

 リオも応戦せんと、再び前足で宙を薙いだ。

 そこからは、一進一退の攻防が続いた。

 リオが風を操り赤林を追い詰めたかと思いきや、赤林の剣がリオを捉え斬りつける。

 逆に赤林がリオを仕留めたかと思いきや、思いも寄らぬ方向からの攻撃で形勢が逆転する。

 二人の戦いを見守る両組の選抜メンバーは疎か、観客ですら言葉を失っていた。

 これが本当に学生の戦いなのかと、誰もが思うほどに高度な戦いが繰り広げられていた。

「ふ、ふふ、ふはは。やるじゃないか……、やるじゃないか……! そうじゃなきゃ、面白くねえ……!」

 赤林が楽しげにつぶやく。

『そうだね、まさかこんなに楽しい戦いをできるとは思わなかったよ』

 対するリオも、楽しげに応じた。

『でも……』

 リオが宙を一薙ぎし、五本の杖を出現させた。

『そろそろ終わりにしようか』

 リオの様子を見た赤林は笑みを消し、真剣な表情になって剣を構えた。

「そうだな、そろそろ潮時だ」

 両者が睨み合う。

 永遠と思える一瞬の間を置いて、両者は同時に前に出た。

「そこまで!」

 だが、次の瞬間、審判からの静止がかかった。

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