4−2
「作戦を立てるわよ」
幾つかのクラス、その代表となる五名ずつの集団が一堂に会した控え室で、キリエが声を潜めながら言った。
各クラスが固まりとなり、各々が何かの話し合いをしているようだった。
「まず、リオを先頭にするわ」
キリエが言う。
対して、ナナが驚きの声を上げた。
「え、リオさんは大将じゃないんですかっ?」
キリエがキッとナナを睨んだ。
「バカっ、声が大きいわよっ。ここは既に戦場なのよっ」
小声ながらも、キリエの声には威圧感があった。
ナナは口を抑え、周囲を見回した。
幸い、他のクラスも話に集中しているようで、こちらを気にする様子はなかった。
ナナはホッと胸をなで下ろした。
キリエも同じように周囲を窺っていたが、気にしなくて良さそうだと判断し、話を続けた。
「相手はまさかのS組よ、学年内最上位クラスの。幾らマリアに特訓をしてもらったとはいえ、真っ向から挑んだら負けるに決まってるわ。元々の実力が段違いなんだから。そこで、順番を入れ替えるのよ。まずリオが最初に出て勝ちをもぎ取る。リオなら誰が相手でも、絶対に勝てるわ。そこからジン、あんなと続く。二人とも異能の力は相手に負けてない。勝ち目はあるわ。できればそこで勝ちを決めたいところだけど、もしどちらかが負けても、そのあとの私が何とかするわ」
キリエの話にナナ以外の全員が首肯する。
だが、ナナだけは疑問が残っているようだった。
「あの、ナナは……」
「あんたは大将よ」
「ええええっ」
ナナは再び声を上げてしまった。
「だから声が大きいってば!」
キリエが再度窘めると、ナナは慌てて口を抑えた。
「ぶっちゃけてしまえば、ナナには申し訳ないけど、あんたは捨てゴマよ。相手の大将は絶対に赤林だわ。学年内トップのあいつに、勝てるとは思わない。だからそこは捨てて、他で勝ちに行くのよ」
『うん、良いと思うよ。ナナくんには申し訳ないけど……』
「ごめんなさい、力不足で」
ナナが項垂れた。
ジンが肩を叩き、慰めていた。
「仕方ないわ。補習期間ではなんともならなかったってマリアも謝ってたし。とにかく、これで勝ちは狙えるはずよ。W組……、廃棄物組だってなめてる奴らの鼻をあかすわよ」
キリエが小さく拳を前に突き出す。
それにあわせて、他メンバーも拳を突き出した。
「勝ちに、行くわよ」
「「「『おーっ』」」」




