表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異能園〜いのえんへようこそ〜  作者: あみるニウム
第四章「異能試験」
23/67

4−1

「これより、第一試合、S組対W組の試合を始めます。両チーム代表、前へ」

 審判の声を合図に、四人と一匹は壇上に上がる。

 コロシアムのような施設、その中央におあつらえむきに備えられたステージに、足をかける。

 相手チームも同様に上がってきた。

 だが、相手チームは蔑んだ目でこちらを見ていた。

 ぐるりと囲まれて設置される客席からも、クスクスと笑い声が漏れ聞こえていた。

 ただ、一人、相手チームの主将格であろう少年だけは、真剣な面持ちでこちらを見ていた。

 その先には、猫の姿を借りたリオが佇んでいた。

「両チーム、礼!」

 審判の声に従い、両チームが頭を下げる。

 だが、S組の学生は、尚もクスクスと笑っているようだった。

「では、第一戦の組み合わせを発表する。第一戦、S組代表は赤林! 対するW組代表は、白山!」

 観客にどよめきが起こる。

 だが、S組の学生たちだけは、してやったりという顔をしていた。

「やられたわ……」

 キリエが唇を噛んだ。

 他のメンバーも苦虫を噛み潰したような顔をしていた。

『こうなったら仕方がない。とりあえず善処するよ』

 リオはそう言うと、一歩前に出る。

『大丈夫、僕らなら勝てるさ』

 そして、そう言い残すと、ステージ中央へと足を運んだ。

 キリエたちはステージ外へと下がる。

 S組の学生たちも、ステージの外へと退避していた。

 審判も同様にステージ上からは捌けていた。

「よお?」

 ステージ上に二人だけになると赤林が声をかけてきた。

 あまり声を張らず、二人だけに聞こえるような音量で話しかけてきた。

『なんだい?』

 リオはいつものように、空気転送による意思疎通を図った。

「く、くくく……」

 すると突然、赤林が笑い出した。

 リオは不気味に思い、警戒心を露わにした。

「ああ、すまん。嬉しくてな。やっと主席様と対面できたのが」

 赤林は尚も続ける。

「てっきりこっちのクラスにいるもんだと思ってたのに、W組だあ? Waste……廃棄物組なんぞに身を潜めて、何を企んでやがる?」

『別に潜んでなどいないさ。ぼくは必然的にこのクラスにいるだけだよ』

 リオはあっけらかんと答えた。

 だが、赤林は納得がいっていない様子だった。

「ほざけ、主席。てめえのおかげでこちとら入学初日から辱めを受けたんだ。その借りは今返してやるぜ、学年内最強のおまえをぶっ倒してなあ」

『僕が、最強?』

 言い終えるなり、猫が小刻みに震える。

『僕が最強なわけないじゃないか、見る目がないね』

 リオは猫の身体を揺らして、くつくつと笑っていた。

 赤林は苛立ちを隠そうともせず、言い放った。

「うるせえ、てめえが主席なのは変わらねえだろ? だったらてめえをぶっ飛ばせば、俺の方が優れていることは証明できる。今はそれでいい、今はな……!」

 言い終えると、赤林は戦闘態勢を取る。

 対して、リオも臨戦態勢をとった。

「準備はいいですか? それでは、はじめ!」

 審判の合図とともに赤林が剣を創出しながら駆け出した。

 リオはその場を動かず、前足を前に突き出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ