表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/67

3−3

「まあ、キリエくんも何とかなりそうだな」

 全く疲れた様子を見せないマリアが独りごちる。

 キリエは膝をついたまま、動けなくなっていた。

 そして、マリアは残った二名、棒立ちして微塵も動かなかったナナと、あっけらかんとしているあんなに向き直った。

「さて、次はどうしようか」

「それじゃぁ、私がやりますぅ」

 あんなが物怖じしない様子で言った。

「うーん、ナナくんも見てみたかったが、まあ、良いか。久しぶりの手合わせだ、全力でかかってこい」

「はーい」

 言い終えた瞬間、あんなの姿が消えた。

 隣で見ていたナナは訳がわからずキョロキョロと辺りを見回した。

 すると、マリアに向かって複数の矢が降り注ぐ。

 マリアは瞬時に片手を矢に向け、それを防いだ。

 ナナは訳がわからずその出所を探った。

 矢の出所は、空だった。

 宙には、弓を構えた、あんなの姿があった。

「ほうほう、腕を上げたな、あんな。だが……」

 言い終えるや否や、マリアが両手をあんなに向ける。

 すぐさま、何かの円陣が現れたかと思うと、複数の火の玉が出現した。

「ほい」

 マリアのかけ声と共に、火の玉があんなに向かって突進する。

 あんなは更に高度を上げ、弓に創出した複数の矢を番えた。

 そして、あんなが矢を射ると、矢はまっすぐにマリアの放った火と玉に向かって突進した。

 矢と火の玉が衝突すると、衝撃音と共にどちらの姿も消えた。

 代わりに、周囲には煙が立ちこめた。

「しまっ……」

「ほらほら、どうした?」

 あんなの声が聞こえたかと思うと、同じ場所からマリアの声が聞こえた。

 マリアはあんなの位置まで飛び上がっていた。

 そして、身体を回転させながら、あんなに向かって蹴りを放つ。

 あんなは辛うじて両手をクロスさせて衝撃を防いだが、反動で真っ逆さまに地に落ちた。

 激しい衝突音と共にあんなが墜落する。

 少し離れた位置に、マリアは音もなく着地した。

「おいおい、これで終わりか?」

 マリアが挑発するように言う。

「ずるいですぅ、近距離は苦手なのにぃ」

 すると、情けない声を出しながらも、あんなが起き上がった。

「バカたれ。苦手だろうがなんだろうが、相手次第では対処せねばならんのだ」

「むぅ……、いけずですぅ……」

 あんなはまだふて腐れていた。

 劣勢なのは誰の目にも明かだった。

「だったらぁ、えいっ」

 掛け声とともに手を上に上げた。

 その瞬間、辺りが光に包まれ、視界を奪われた。

「ほうほう……、なるほど……」

 感心したようなマリアの声が響く。

「きゃあ」

 だが、次の瞬間にあんなの悲鳴が轟いた。

 光に視界を奪われていたナナが目を開けると、地に横たわるあんなと、その横に立つマリアの姿があった。

「中々に考えたが、まだまだ甘い。視界を奪うだけでは私は倒せんぞ」

 やはり疲れた様子を見せないマリアが、地に伏せるあんなに向かって言い放った。

「さて……」

 マリアがナナに向き直る。

 そして、ゆっくりとナナに歩み寄ってきた。

 ナナは覚悟を決め、身構えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ