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異能園〜いのえんへようこそ〜  作者: あみるニウム
第二章「ペーパーテスト」
13/67

2−2

 気がつくと、入学式から幾日も過ぎていた。

 人数が少ないというのもあってか、五人はあっという間に打ち解け、今は数年来の友人かと互いも周囲も思うほどに仲良くなっていた。

 そんな折、担当のマリアから、衝撃の事実が告げられた。

「あ、今度、テストがあるから」

 それまで何も知らされていなかった五人は、呆気に取られ、言葉を失ってしまった。

『えっと……、それは、小テスト的なものですか?』

 リオが遠慮がちに尋ねる。

 すると、マリアは首を横に振って、それを否定した。

「いや、そうじゃなくて、きちんとした成績を出すモノだ。この成績如何で、その後数日が休みになるか、補習になるかが決まるから、がんばってくれたまえ。あ、ちなみに、今回はペーパーな。なお、一人でも赤点がいたら連帯責任で全員補習だから。んじゃ、そのつもりで」

 そう言い終えると、マリアは教室を出ていった。

 残された五人は、開いた口が塞がらなかった。

「……まずいわね」

 キリエが腕を組んで考え込み始めた。

『ちょっと、勉強会的なものをした方がいいかもね』

 リオも、キリエの懸案を察したようだった。

 ジンも無言で首肯し、三人は、並んで座るナナとあんなに視線を向けた。

 ナナは申し訳なさそうに肩をすくめ、あんなは何故見られているのかわからないようで首を傾げていた。

「今日から空いているは全てあんたたちのペーパー対策に充てるわよ」

 キリエは目をぎらつかせながら、二人へと歩み寄った。

 ナナは恐怖に打ち震えていたが、あんなは相変わらず理解していないようで、ニコニコしながら首を傾げ続けていた。


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