2−2
気がつくと、入学式から幾日も過ぎていた。
人数が少ないというのもあってか、五人はあっという間に打ち解け、今は数年来の友人かと互いも周囲も思うほどに仲良くなっていた。
そんな折、担当のマリアから、衝撃の事実が告げられた。
「あ、今度、テストがあるから」
それまで何も知らされていなかった五人は、呆気に取られ、言葉を失ってしまった。
『えっと……、それは、小テスト的なものですか?』
リオが遠慮がちに尋ねる。
すると、マリアは首を横に振って、それを否定した。
「いや、そうじゃなくて、きちんとした成績を出すモノだ。この成績如何で、その後数日が休みになるか、補習になるかが決まるから、がんばってくれたまえ。あ、ちなみに、今回はペーパーな。なお、一人でも赤点がいたら連帯責任で全員補習だから。んじゃ、そのつもりで」
そう言い終えると、マリアは教室を出ていった。
残された五人は、開いた口が塞がらなかった。
「……まずいわね」
キリエが腕を組んで考え込み始めた。
『ちょっと、勉強会的なものをした方がいいかもね』
リオも、キリエの懸案を察したようだった。
ジンも無言で首肯し、三人は、並んで座るナナとあんなに視線を向けた。
ナナは申し訳なさそうに肩をすくめ、あんなは何故見られているのかわからないようで首を傾げていた。
「今日から空いているは全てあんたたちのペーパー対策に充てるわよ」
キリエは目をぎらつかせながら、二人へと歩み寄った。
ナナは恐怖に打ち震えていたが、あんなは相変わらず理解していないようで、ニコニコしながら首を傾げ続けていた。




