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無人島生活2日目〜孤独感〜

今回もよろしくお願いします。

それでは本編へどうぞ。

「んーーん。よく、寝たなーー。」


深い眠りから目覚めると、ちょうどひょっこりと太陽が顔を出し始めていた。つまりは、俺は昨日のお昼から半日以上も寝ていたことになる。疲れていたとはいえ、これはなかなか寝すぎたか?


「まあ、まずは飯かな。」


俺はとりあえず腹が減ったので、インベントリから昨日狩ったデカ蟹を取り出す。そして、『ウィンドカッター』で足を一本だけ切り、残りはしまった。


「まだ、温かい。本当に便利だな、『空間魔法』。それじゃ、いただきます。」


パクっ


結果的に味は昨日と何ら変わらなかった。


「やっぱり、味が足りないよな。なんかないかー。調味料の変わりになるものー。ん?」


俺は辺りを見回す。するとそこで、ちょうど思い当たる物を見つけた。それは、海水に含まれる塩だった。水を蒸発させて、食塩だけを採取する必要があるが、こちらには魔法があるのでそこまで手はかからないだろう。


「よし、早速海水を蒸発させて、塩を取るとするか。」


俺はまず初めに、『生成魔法』で土の桶を作った。これは、中に海水を入れておくためのものだ。表面を硬質化しているので、海水が漏れたりは決してしない。俺はその桶の中に海水を入れた。


次に、『火魔法』で桶の底から海水を沸騰させていく。手で持ちながらだときついので、昨日使った焼き棒と支柱を使い、桶を上から吊るした。俺は木を集めてきて火をくべる。


後は待つだけ。そして、これを何回も繰り返して大量の塩を取るだけだ。


それから数分後。ようやく、塩第1号が出来た。


「初めてにしては、なかなかいいんじゃないのか。」


何だか嬉しくなってしまった俺は、次にお腹が空くまで塩作りに没頭した。最終的に俺の塩作りレベルは、芸術品とも言えるほどにまで達したのであった。


「お腹空いてきたな。そろそろ止めるか。」


その時までに俺が作った塩の量は、五キロほどになっていた。集中力というものなんと恐ろしいのだろうか。俺は塩を『生成魔法』で作った木の蓋付き箱に入れ、大事そうにインベントリの中にしまった。


それで、お昼なのだが。早速、この塩を使ってみたいと思う。と言っても、デカ蟹の身にただ振りかけるだけだ。たぶん、それだけでも美味しくなるだろう。


俺はデカ蟹の足を一本だけを取りだし、塩を振りかける。そして、いざ実食っ!


パクっ


「うめぇーー。塩だけでも、こんなに美味しくなるのか。まじ、調味料感謝だわ。」


デカ蟹に塩を振りかけただけではあったが、予想よりも遥かに旨くなった。これは蟹の風味が引き立ついい材料だ。だとするならば、他の調味料はどうなのだろうと興味が沸いてくる。


「他にあるとすれば香辛料とかだけど、流石にプロじゃないから危険か?当分やめておこう。」


俺はあっさり諦めた。もし、毒があるものを食べてしまったら大変なのでそこは慎重にいこう。


「はあ、午後は何するかなー。」


俺は砂浜の上にあぐらをかいて座る。太陽の光が眩しい。たまには、こういう日向ぼっこもいいもんだ。頭がボーッとできる。俺は暫くそうしていると、自分のことに考え始めた。


「毎日ラノベにゲーム三昧の日々。なんだか、もう懐かしく感じられるよ。それほど、俺は2次元に心酔していたのかな。・・・・・この気持ちはなんだろう。俺寂しいのか。2次元世界に触れられなくて悲しんでいる?・・・・・なんか、違うな。・・・・・友達か?少なからずいた友達。何気ない会話。俺はそれをだるそうながらも心の中で楽しんでいたのか?・・・・・ああ、きっとそうなのだろう。だから俺はこんなに孤独感を感じているのか。やっぱり、話し相手がいないと人間駄目みたいだな。」


俺はこの状況になんとか順応しようと、必死になっていた。だがそのせいで、自分が無理をしていることにもきずけなかった。なんと愚かなことだろうか。


「俺はアホだな。寂しければ、寂しいって自覚すればいいのに。これじゃ、記憶力が高いだけの中身がない男じゃないか。」


他人に触れる。


この行為は、直接的なものと間接的なものがある。直接的なものはそのままの意味で、物理的に触れあうことだ。間接的なものは、物理的ではなく、他人の心に触れあうことだ。


俺はこの間接的な触れあいを今欲している。誰かと、触れあう。この行為は人間にとって大変必要なものである。自分が寂しい時、楽しい時、怒っている時、全てにおいて人間は他人と共感しあい、触れあいたいのだ。


それが出来なくなると、人間の精神は少しずつ駄目になっていき、感情を忘れ、記憶を忘れ、心を忘れる。そして最終的に人間は『廃人』とかしてしまう。


「誰か、いないのか?このままではおかしくなってしまいそうだよ。誰か、誰か・・・・」


バタッ


その時突然、後方のジャングルの方から物音が聞こえた。俺は一気に警戒体勢に入り、その物音のした方へゆっくりと近づいていく。


「たす、けて・・・・」


ひどく弱々しい声が聞こえる。その声は、茂みのなかから聞こえた。俺はそっとその茂みをかき分けて、その声の正体を探り、見つけた。


肌が白く痩せ細っている女の子。人の温もりがそこに倒れていた。

読んでくれてありがとうございます。

次回も一応不定期更新です。

感想等頂けると嬉しいです。

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