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無人島生活4日目〜動き出した主

昨日投稿しようとしたんですが、寝落ちしちゃいました。

今回も短いですが、よろしくお願いします。

「ぶへっくしょん!」

「大丈夫?パパー」


凄く嫌な寒気を感じた俺は盛大にくしゃみをした。


「ううう・・・大丈夫だ」

「無理しないでね」


とりあえず、今は順調にジャングルの奥に進んでいる。体調面は少し心配だが、今のところ特に問題と言っていいほどの出来事は起きていない。


些細なことを言えば、うちの娘が可愛いぐらいだろうか。


「そう言えば、アンはどの辺りから来たんだ?」


ふと思ったことを尋ねてみる。このくらいの質問なら、アンを不快にさせるようなことはないだろう。


「うーん、この辺は・・・見覚えないかな」

「そうか、必死だったもんな」

「うん、でもパパに出会えたからアンは幸せだよ。過去なんかもういらないっ!」


そう言って勢いよくて抱きついてきたアン。少しは道しるべを覚えてもらっていたら楽だったんだが、野暮なことは言わない。だって、こうしてるだけで俺も幸せな気持ちになれるんだから。


「そうだな、俺もだ。これからは未来のことだけを鮮明に覚えていこう」

「うんっ!」


俺はアンの頭を撫でて静かに微笑む。すると、アンもにっこりと笑顔を作り、ぎゅっと俺を抱きしめてくれた。


「よしっ、じゃあ行くか」

「あいさー」


そこから、俺たちは仲良く手をつないでジャングルの更に奥地へと進んだ。それはまるで、本当の親子みたいだった・・・という。


■■■■■■


「という訳です、バルグンド様」

「ほぉ、この島に親子連れか・・・」


そこはとある島のとある場所。薄暗く照らされたその部屋は、暗黒の妖気に満ち溢れ、金色の玉座、そこに座る人物を象徴的に表していた。


「はい、漂流者でしょうか?の割には生き生きしてますが・・・」

「何にせよ、警戒は怠るな。昨夜の我が眷属達が全滅させられた件といい、この者達、何か関係があるかもしれん」


ただならぬ雰囲気を纏ったその者は静かな声音で自分の目の前に膝まずく一人の従者にそう告げた。


「御意に・・・あ、あともう一つお耳に入れたいことが・・・」

「なんじゃ・・・」


従者の者は何かを思い出して、再びその者の前に膝まずき、報告を行う。


「どうやら、人間共の王国の一つ、ガウセル王国なる国が異世界の勇者召喚に成功したようです」

「なんじゃと!?」

「慈愛と失態の女神ミステイクが手を貸したとの報告もあります」

「あのバカ女神め・・・余計なことをしおって」

「あの・・・やはり脅威となる勇者にはバルグンド様も恐れをなすので?」

「バカもの!!」


その者の咆哮が直接的に魔力へと変換され、凄まじい風と膨れ上がった音がその部屋、その従者を襲う。


「うぅ・・・申し訳ございません」

「お、うむ、すまん。ワシも少しやり過ぎた、だから後でその金色の水で汚れた床を掃除しておきなさい」

「はい・・・」


従者の者はあまりの威圧にあれをしてしまったらしい。


「おほん。とまあ、あの女神が何かをやらかすときは必ず失態というものがついてくるのじゃよ」

「うっうぅ、はいぃ〜」

「それは、時にこの世界を破滅へ導くものだったり、逆にこの世界に平和をもたらすものだったりと、言うてほとんどが前者なんじゃが・・・」


従者の者は床を己の着ている服で拭こうとする。


「おい、お主。ワシに変な性癖はないから、後で雑巾でも魔法でもいいから落ち着いて掃除しなさい」

「はいぃ〜〜」


従者は床にだらりとへたりこみ、肩の力を抜いた。


「しかし、この時期にこの島への漂流者か・・・もしや・・・な」


玉座に腰かけるその者は大きく深呼吸をし、窓から見える己の街を眺めるのだった。

読んでくださりありがとうございます。

次話もなるべく、早く投稿します。

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