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クラスメイトサイド~異世界生活4日目~現状説明

お久しぶりです。

今回は、正式に召喚されたクラスメイト達の現状説明と男同士の一方的な熱い友情という名の何かです。

短いですが、よろしくお願いします。

俺の名前は「初瀬拓郎」、広瀬樹人の小学校以来の親友で隣の席から話しかけていた奴だ。早速なんだが、俺は異世界に召喚された。ミステイクとか言う明らかに胡散臭い女神によってな。


正直言って、嫌な予感はしたんだ。この召喚といい、戦争の話といい、初めてのことだから仕方がなかったかもしれないが、初対面の怪しい奴らの話を真に受けるのは良くなかったんだ。


その結果がこれだよ。


「魔王殺す!・・・魔王殺す!・・・魔王殺す!・・・」


かつての俺のクラスのメイト達は魂の抜けた人間、まるで機械のように同じ言葉を連呼しては、魔王を倒すための訓練に勤しんでいる。どうやら、戦争していた相手は魔王軍だったらしい。


これは予想というよりは、ほぼ真実に近いんだが、どのクラスメイト達も一対一でこの国の王様と対面してから頭が可笑しくなった。つまりは、国家元首自らが俺たち異世界勇者達に何らかの力を働かせた可能性が高いという話だ。


まあ、その力はこの世界には存在する魔法という物理法則ガン無視の神秘が関係しているのは間違いない。ったく、催眠くらいなら普通に物理法則に乗っ取ってやればいいものを。


「よし、その調子でどんどん続けろ。勇者様ガキども


教官の皮を被ったゲス顔のゴミくずが俺ら勇者に指示を飛ばしてきた。ここで一つ言っておくが、俺は奴らの催眠魔法とかにはかかっていない。俺にはこの世界に来たときからある一つの能力があったのだ。


『精神操作』


これは自他ともにある程度までの精神操作を可能にする力で、付属スキルである『精神耐性』が俺を催眠の力から守ってくれたっぽい。これがなかったら今頃俺も、他のクラスメイト達と同様に操られていたと思うとぞっとする。


「おい、お前どうした!手が止まってるぞ」


おっと、どうやら剣の振りが少し甘かったらしい。とりあえず俺はこのままの速度で訓練を続行する。そうしなければ、逆に怪しまれて操り切れていないことがばれるかもしれない。少しだけ緊張が走った。


「なんだ?疲れたのか?クソガキめ、いい身分だ。そんなお前には、三十分間の休憩をくれてやろう」


おいおい、まさかだよ。予想だにしなかったよ。そんな親切心が飛んでくるとは思わなかったよ。ゲス顔教官の癖になんだよその性格。俺はてっきり、怒りの鉄槌の一発でも飛んでくるんじゃないかと思って身構えてたのに。変なフラグでも立てちまったか?


とは思いつつも、せっかくなので素直にお言葉に甘えてさせてもらう。俺はその場に腰をおろし、不自然にならない具合に休憩をとる。何せ、三十分も休憩時間があるんだ、どんな態勢でも体は休まるだろう。


そして、俺はふと思った。


召喚されたあの場に拓人、お前はいなかった。大方、あの女神の手違いか何かで違う場所に召喚でもされたのだろう。魔王の領土?それか、無人島か?確信は無いが、そんな気がする。


俺はお前が必ず生きてると信じている。だから、親友としていつかお前を迎えに行くぜ。


異世界召喚から4日目。


ここに、男と男の熱い友情を超える何かが始まろうとしていた。



読んで下さりありがとうございました。

たぶん今度は近いうちにまたあげると思います。

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