無人島生活4日目〜探検の凶兆
久しぶりです。
よろしくお願いします。
無人島生活4日目の朝。
本日も快晴。曇り一つ無い眩しい青空は、それだけで心を綺麗にしてくれる。チュンチュンと雀の変わりに聞こえてくる朝のさえずりは、アンの可愛らしい寝言であった。これもまた、俺の心を朝から清らかなものにしてくれた。
そして、窓の外には───────案の定数えきれないほどのモンスターの残骸が転がっていた。
「うおぉーーー!!ふざけんな!朝から、やけになんかだるいと思ったら、またかぁーー!!」
結界魔法の行使によって、朝っぱらから、もとい数時間前からどんどん魔力を消費させられていた俺の心は、すっかりガリガリに削り取られていた。
「くそぉーー!!なぜだ!?なぜ、2日連続?こいつら一体どこから沸いてくるんだ?!」
今日のモンスターもとい、魔物達の数は昨日とあまり変わらない。それどころか、少し増えている。今、空間魔法で素材の選定と収集を行っているのだが、魔物の種類はあまり変わらないものの、昨日いた魔物数の1.5倍くらいになっているのだ。
「どうしたの?パパ」
俺の騒ぎ声に気づいたアンが夢から目を覚める。大きなあくびをし、おはよーと言ってくるその顔は、やはり最高であった。魔力全回復!
「ああ、起こしてごめんよ。アン」
「ううん。大丈夫。ちょうど起きたところだから・・・それより、どうしたの?」
「ああ、実はまた朝から魔物達が押し寄せてきていて大変なんだ」
「また、来てるの?」
「また、なんだよ。しかも、今日は昨日より数が多い」
「魔力の消費が負担になる?」
「いや、そこは生憎、自然に超回復したから、問題ない」
首を横に傾げるアン。なんのことやらという顔をしている。うん、知らなくても大丈夫だよ。
「問題は、なんでこんなにたくさんの数が昨日の今日で出現したのかなんだよ。まだまだ、というか俺達はこの島のことを一つも理解していないだろ?いろいろ、謎が多すぎる」
今気づいたが、そういえば俺達って食料と住居を魔法で調達出来るから、そもそもあの広大なジャングルの中を探索する必要が元から無かったんだよね。
無人島探検は男のロマンなんて考えてる人間もいるだろうが、今は魔法という便利な道具が有るんだから別に無理して死ににいく必要性は存在しないのだ。探索なら、魔法で事足りる。
だがまあ、もしそれが万に一つ存在するとすれば、きっと誰かに頼まれたり、うるうるとした目で泣きつかれた時ぐらいだろう。
「じゃあパパ。探検しよ?」
読んでくれてありがとうございました。
次も頑張ります。