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プロローグ

この作品は、主人公が無人島で魔法を駆使しながら、のんびり生活するお話です。

どうか、楽しんで見ていただければ、嬉しいです。

それでは、どうぞ。

「え?」


俺はそこに召喚された瞬間、驚愕した。


目の前にはあるのは広大な海。その広さは地平線の果てまで見渡せるほどだった。船も陸も見当たらない。後方にあるのはうっそうと広がるジャングル。その広さは計り知れないほどだろう。そして極めつけはこれ。


ここが『無人島』にしか見えないことだ。


俺は地面に膝をつき、肩を落とした。


「なんで、こうなったぁぁぁぁーーー!!!!」



───────

それは、少し前の話に戻る。


その日の俺はいつもより目覚めが良かった。昨日寝落ちせずにちゃんと寝たからだろう。午前6時に。そんな訳で、俺の通常装備である目の下の隈は今日もついていた。


だるい。それしか考えられない俺は、教室の机の上でただ時間が過ぎるのだけを待っていた。


「おはよう、樹人。きょうも眠そうだな。何時寝だよ?」


隣の席のやつが話しかけてきた。いつも、飯を食べている友達だ。俺はその問いにだるそうに答える。


「ああ、拓郎か、おはよ。昨日は6時寝ぐらいだな。」


「相変わらず、ゲームにラノベ三昧か?そのうち体調崩すぞ。テストも近いんだから勉強したらどうだ?」


「あー?勉強?そんなのテスト前3日でなんとか出来るからいいよ。」


「はあ、お前が言うと説得力が有りすぎるんだよな。さすが、毎回テストで学年1位の座を守っているだけはある。でも、ほどほどにしとけよ。」


「はいよー。」


俺は昔から1度見たものは絶対に忘れないほどの記憶力を持っていた。自分で言うのもなんだが、ある種の天才だと感じている。だが別に優越感に浸りたいわけではないので、周りに自慢したりはしない。ただ単に、二次元に生きることだけが俺の生き甲斐だからだ。


俺は再び顔を机に埋め深い眠りにつこうとする。だが、それを妨げるもの達が現れた。


「なあなあ、昨日のアニメ見たか?あのシーン最高だったよなー。」


「ですな、あそこでこうバシッと決めた瞬間、おいは感動しましたよ。」


「『虹色に光りし我が閃光!神の裁きとして、その罪を受け入れよぉぉーー!!』。」


「おー、さすが小池氏。セリフは完璧ですな。」


どうやら、典型的なオタクの枠にも入らないような、にわか達が騒いでいるらしい。毎日のことだが、今日は特にいつもよりうるさい。


(あーー、眠りたいのにうるさいー。)


「で、で、でな?あの異世界召喚もののアニメなんだけど、これまた最高で!」


「ほう。田中氏もそう思いますか。やっぱり、召喚ものはいいですよな。こう、異世界召喚ものはおとこのロマンというか、なんというか。」


「現実にも起きないかね〜。異世界召喚。」


「おっ、田中氏。今、フラグが立ちましたよ。召喚フラグ。」


(はっ、馬鹿馬鹿しいな。2次元世界の産物が、3次元世界に反映されるわけないだろう。まあ、多少の期待はするけど────『あなた方は選ばれました』────え?)


その時、突如として頭の中に声が響いた。俺は顔を机から上げる。すると、床が2次元世界にある魔方陣のようなもので埋め尽くされていた。周りを見ると、他の生徒達もその光景に驚いている。どうやら、幻覚ではなさそうだ。


「田中氏っ!フラグが成立しましっ───」


にわかの一人がそう言った瞬間だった。魔方陣から、発せられる光が一瞬で俺達の視界を覆った。



これが最初の始まりだった、



きずくと、俺達は変な空間の中にいた。そこは、何もない。まさに、アニメにあるような異空間の狭間みたいな場所だった。周りには、突然の出来事に腰を抜かし床に座り込んでいるものが大勢いる。


『あなた方は選ばれました』


突如として、目の前に女性が現れる。その姿は、並みの言葉では表せないほどの絶世の美女だった。もう、なんか次元が違う。


『私の名は、ミステイク。あなた方、勇者を選んだ女神です。』


「女神・・おいたちが勇者だと・・・・」


にわかがしゃべる。


『実は、私の管理している世界が戦争状態で収拾がつかなくなってしまったのです。』


(は?呼んだ理由がそれ?頭おかしいんじゃないの?)


『なのでその戦争に終止符を打ってもらうため、あなた方の世界の神に頼みこんで、勇者として召喚させてもらうことしました。』


(おい、うちの神は何やってんの?)


『勿論、戦争を止めて下さった暁には、万の富を差し上げます。これで、将来安泰でしょう。』


(おいおい、そんな馬鹿げた理由で────「よろしくお願いいたします!」


「え?」


「是非とも、協力したい。」「快く、受けさせていただきます。」「あなたの為なら。」「がんばります。」


にわかの返事を筆頭に、次々と生徒達が賛同していく。


(いいのかよ、それで。俺は反対だぞ。)


────「俺もお願いします。」


きずくと、自分自身も賛同していた。これは、2次元世界への憧れなのか、自然と心が動いてしまった結果だった。異世界召喚好きなら誰もが1度は思う儚い夢。俺もそれを心なしかどこがで思っていた一人だった。


『全員一致で賛同のようですね。それでは『カルフルーナ』へあなた方を飛ばします。きずいた時には目の前に「ガウセル王国」のもの達がいることでしょう。後は、そのもの達に従いなさい。〈転移!カルフルーナ!ガウセル王国〉』


彼女がそう唱えた瞬間、再び俺達の足元が魔方陣によって埋め尽くされ、視界が光によって覆われる。


『それでは、よい旅を───』



───────

そして、現在に戻る。


「あの、女神めーー!!どこが、ガウセル王国だ。ただの無人島じゃねえかぁー!。」


周りを見渡すが、人が一人も見当たらない。ここにいるのは、俺だけ。つまりは、俺だけ違うところに転移させられたということだ。


「あの、名前といい、おかしいだろう。『ミステイク』ってなんだ。日本語で『手違い』じゃねえか。俺一人でどうやって、生きろって言うんだ。あぁぁぁぁぁーーーーー!!!!!」



俺は、ひとしきり叫んだ後、すごい冷静なった。口から毒は全て吐いた。言いたいことは全部言った。後は、この状況をどうするかだ。


「まずは、あれだな。愚痴をこぼしてても、問題が解決する訳じゃないし、物は試しだ。」


ここが、異世界だとすればあれが使えるはずだ。俺は右手を正面にかざす。そして、叫んだ。


「ファイア!」


結果的にここは異世界だった。俺の右手からは3次元世界ではあり得ない事象「手から炎」が発生する。俺はそれをみた瞬間、心踊った。


「きーーたーー!!ファイアきたーー!ほんとに魔法だ!」


いつの間にか、俺の思考は幼児退行していた。周りから見れば、頭のおかしい人にしか見えないが今はその周りに、人が一人もいない。日々、息を殺して過ごすストレスから解放された瞬間だった。


「よし、火は魔法でおこせるな。体の冷えには困らないだろう。だが、問題は食料だな。最初は海で魚でも捕ってみるか。一応、やり方とかは覚えてるし。まあ、こうなった以上頑張って生きるしかないか。ん?」


俺はそこでふと、頭の中で引っかかる変な違和感を覚えた。なんか、「これを見てみてね」みたいな感じのものだった。俺は、恐る恐るそれを、頭の中の感覚で『見る』行為をした。すると、そこにはゲームでありがちな自分のステータスがあった。


広瀬樹人level1

攻撃力80

防御力100

俊敏力80

魔力量150

〈スキル〉

完全暗記能力

サバイバル

〈魔法〉

全属性魔法level5


まず思ったのが、攻防俊魔の欄が割りと低そうなことだ。ゲームを基準にしてみると、勇者としてはかなり低いと思う。いくら、普段から運動をしていないからってこれはないんじゃないのか?

俺は自分のことを今初めて呪った。


そして、驚くべきはこれ。〈スキル〉完全暗記能力。これは、まんま俺じゃないか。その影響もあってか、魔法も全属性使えるようになっている。普段から、2次元文化に侵されているのだからしょうがないだろう。


「まあ、魔法を駆使してのんびり生きますかぁ〜〜。」


そして、この瞬間から俺のヌルゲー無人島生活が始まった。

読んでくれてありがとうございます。

この作品は暇な時にぱぱっと書くので、不定期更新です。ご了承下さい下さい。

もし、感想等が頂ければ嬉しいです。

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