稲刈りと三色団子
明日はメイド喫茶の日なのに……打ち合わせが…
10月26日。
どうしてこうも…俺は明日の喫茶店のメイド喫茶のために忙しいのにこんなことを…。
「す、すみません…。頼めそうな人は元木様しか思い浮かばなくて……。」
う、うむ……。
ほいよっと……………稲刈りは難しいのだな。
「えぇ、皆さんにも手伝わせてあげたかったのですが…………あいにく忙しいとのことで。」
俺だって忙しいんだよ!
「で、ですが……元木様はなんでも引き受けてくれるので、つい私も頼りがちで。不躾な者で誠に申し訳ないです…。」
あぁ、いや……役に立てるなら良いんだが。
しかし、もう俺の事は元木と呼ばなくても良い。
「どうしても……もう横山なんですね。」
あぁ、横山であり、弾なんだ。
もう元木玄弥ではない…、過去は捨てた。
「そうなんですね………わかりました。」
そうがっかりするな、俺は横山弾であり…元木玄弥なのだからな…。
「さてと、1つ休憩時間を入れましょうか…」
そうしてくれ、俺の体はボロボロになりそう。
なんせ…広大な田んぼなのだからな。
「どうぞ、粗茶とお団子くらいしかお出しすることができませんが。」
いやいや、大丈夫。
これがあれば百人力だな、ふっはっは!
「頼もしいですね。」
これはまた三色団子だな、可愛いぞ!
「三色団子は花見団子の事でも一般的ですね。赤・白・緑の三色には、それぞれに意味が込められておりまして、まずは赤と白は言うまでもなく紅白のおめでたい色ですね。緑が草の色で邪気を払う…という意味です。もう1つは、言葉遊びについてです。赤が春の桜を意味しており…白が冬、つまり白酒。緑は夏の草木の緑を表しております。」
おいおい、秋がないぜ……四季じゃなくなるぞ?
「えぇ、なにかが抜けておりませんか?」
そりゃ…秋がないぞ。
「ですね、そんなことより元木様…お団子とお茶のお代わりはいかがですか?」
おぉ、貰いたい。
「元木様はあと何本のお団子が食べられますか?」
こんなに美味しい団子なら飽きないな!
何本でもイケるぞ!
「今なんと?」
こんなに美味しいお団子なら飽きないな!
何本でもイケるぞ!
「繰り返しありがとうございます。」
なんだよ?
「飽きないんですね…」
そりゃ…うまいからな。
「秋がないんですね…」
うん?
「季節の秋が…無いんですね…」
なるほどな!
「ようやく理解できましたか?」
あぁ、まさかこんなことがあったとはな。
それでこそ…蘇我聖奈さんだ。
「食べ終わりましたら…また稲刈りの再開をしましょうね…今年は豊作です!」
あぁ、そうだな。
さて、ここら辺で1つ紹介しよう。
このお姉さんはだな…夜朧地方のトップの蘇我聖奈さんなのだからな。
夜朧地方は製鉄や農業が盛んな土地でな、いろいろあるわけだが…一番ここに来たとき初めて目に入るのはやはり…夜朧城だろうな。
スゴいインパク……
「元木様は…何を独り言を?」
あぁ、すまないな。
「風見地方の頂点に位置するんですから、しっかりしてくださいね。…最近何だか変ですよ?まだ四十路でしょう。ボケてきたんですか?」
そのようなことは無い。
「ですよね、私も今度…風見へお邪魔しますね!豊かな自然は癒しの空間を作り出しますからね。たまには森林浴も楽しみたいですね。」
あぁ、いつでも歓迎だ。
「さてと、食べ終わりましたね…稲刈りの続きと行きますよ!」
待ってくれ!
食休みをくれっ…でないと…リバースしちゃうぞ。
「こちらも夜朧豊年祭の為にも忙しいんです、収穫するのを手伝ってくださいませんか…。急がすようで申し訳無いのですが。」
わかったよ。
おぅ、怖い怖い。
「何か言いましたか?」
いや、何も…
(聖奈は怒らすとリアルに雷を落とすからな…)
「まったく…………」
ほっ……コンバインがあれば便利なんだがなぁ。
よっ………腰が痛い。
っ……仕方ない!
一気にやるぞっ!仕事はサクッと!
みんなも肝に命じておくのだ!
まあいい、勇がアドリブ効かせてくれるだろ。




