人の手でマングローブ
なにか寂しいこの区間に欲しいものは?
6月10日、生い茂る湿楽園。
一人の少年は少しばかり杞憂に思った事があるが多忙なので後回しにしていたものが1つある。
海に近いため塩沼になっており柔らかな泥は海へ……波は侵食へとなるとこれは厄介なことになるのではと立歩から調査と依頼を頼まれていたのだ。
すぐにどうなるわけではないが長い時間をかければいずれコンティネント大陸にあるスワンプ湿地は失われてしまわれかねないからだ。
「この沿岸区画からだいたい地図のこの座標辺りまで処置として新たな区画【マングローブ紅樹林】を設立するよ。」
依頼主の立歩もなるほどと言わんばかりに頷きを見せた。
立歩はこのコンティネント大陸を治める女神様でありながらもその実情は一般人とあまり変わらないので力を使ってどうのこうのはあまりできない。
完璧何もできないわけではないが膨大な時間とリソースを消費するため瞬時に色々できる人がいるならば活用したいのが本音。
「マングローブの根は先程の侵食や流出を防ぐ効果もある。加えて常に水に浸かっているためか水に強く腐りにくい……そして火力の強い炭だってなるだろう。相変わらず案筆糸には助けられてばかりだな。」
「じゃあ座標をセットして……と。」
彼が端末にプログラムを書き加えて画面をタップした瞬間、立歩は軽い立ちくらみを感じた。
たった一瞬グラッと来ただけですぐに視界は良好になるものの、やはり何度これを体験してもド肝を抜かれる。
「おっ、おおお!!スゴイ膨大なマングローブの湿地に早変わりだ!!ありがとう、ありがとう!!これでコンティネントは救われる。」
「そんな大したことしてないけど……まぁボクも慈善でやってるわけじゃないから振り込むモンはきちんと頂戴ね?じゃないと……コンティネント大陸ごと跡形もなく消滅させることだってできるかもだしね。」
「わ、私はきちんと約束は守るぞ!?それに思うけど君は一体何者なんだ?全大陸で最も大きなコンティネント大陸を消すことができるって断言できるのはきっと嘘じゃない……そんな大きな力を持つ君は一体……?」
「誰だっていいじゃないかなぁ?秘密の1つや2つある方がミステリアスで素敵でしょ?」
「うむむ、相変わらず正論だ。」
翌日には新聞なり街の掲示板なりにこの出来事が書き加えられ、ギルドの方でも自然保護や生態調査などの依頼と雇用が増えるだろう。
また1つコンティネント大陸に変化が加えられ、ますます魅力なこの土地は神の加護があらんことを。
ジメジメしてます……ゲコゲコ。




