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アンの娘レイシアー交換留学ー

 レイシアは、レオナルドとアンの長女として、誕生した。アンにそっくりなレイシアは神や精霊に愛された。さすがにアンのように6属性全ての神からの寵愛を受けるということはなかったが、光・水・風、そして【闇】の神からの寵愛を受けることとなった。また、火・地の精霊からの寵愛も受けたので、6属性の魔法が使えるという、次代の寵児が生まれたのだ。


 レイシアの兄弟もそれぞれ、複数の神や精霊からの寵愛を授かったが、6属性全てということはなかった。兄はレオナルド似、弟はレオナルドとアンからの特徴を半々くらいで受け継いでいたから、『アンにそっくりなレイシアだけが、全ての属性の神や精霊から愛されたのだろうか?』などと、冗談のように話していたアンとレオナルドだったが、それはあながち間違ってはないのかもしれない。


 神や精霊が揃ってアンを寵愛するのは、アンの魂が綺麗だからだが、魂だけでなくアン自身を大切にし、守っていた。そのアンにそっくりな娘が生まれたのだから、守るのは当然なのだ。決して顔だけで判断しているのではないと思うが…。レイシアの兄や弟も本来なら寵児といえる程の寵愛を、授かっているのだから。アンとレイシアが愛されすぎなのだ。



【シャーク王国】との交易も増え、レイシアが7歳となり属性を測れるようになった頃には、【闇】属性も含めた測定ができる水晶が、大きな街を中心にだが普及し始めていた。これは、【シャーク王国】との交易の賜物だ。


 大陸間を渡るには未だ、【闇】の加護や寵愛を持つ者の存在が必要で、当初こちらの大陸から【シャーク王国】へ渡る船は多く出せずにいた。しかし、この水晶で【闇】属性が測れるようになったことで、【闇】の加護や寵愛を持っていると自覚する者も増えてきた。彼らには、こちらの大陸でも商人になり活躍するという道が開けたのだ。




 レイシアが14歳を迎えた頃、【シャーク王国】の王女との交換留学が持ちかけられた。レイシアは留学について考えてみる。兄様は皇太子としての公務も始まっているから、長期の留学は難しい。弟はというと、まだ留学するには幼いので無理だろう。それに2人とも【闇】の加護や寵愛を持っていないから、実践で【闇】属性魔法を学んでくることが出来ないのだ。


 皇国でも、お母様が主体となって【闇】属性魔法の研究を進めてはいるけれど、やはり文献不足は否めない。【闇】属性魔法の本場で学べるということは、とても貴重な経験になるだろう。お母様はご自分でも【シャーク王国】に行きたいようだったけど、皇后となった今では、長期で研究に行くのは実質不可能だ。


 でも、私なら2年くらい留学しても大丈夫だ。まだ成人前だし、社交界デビューもしばらく先だ。一応、婚約者候補は何人かいるけれど…たった2年の留学を待ってくれない人なら、そこまでの人ってことだ。


 この留学の話は、2国間の更なる交流を図る為にも、受けることが決まっている。【シャーク王国】も、皇国から留学に来るのは私になるだろうことが分かっているから、皇国には自国の王女を留学させるのだろう。


 決まっている話とは言っても、お父様やお母様は無理強いはさせたくないと、私の意思を確認してくれた。私は心から留学してみたいと思っていることを伝え、留学の話が本決まりとなった。今は夏。秋には【シャーク王国】へと旅立つ。2年の留学となると、それなりに荷物が必要だ。現地でも調達しないといけないだろうけれど、当面のドレスなんかは何着も必要だしね。勉強だけならいいけれど、晩餐会やあちらの王族や貴族の方々とのお茶会など、いろいろな交流の場を持つのだから。


 こちらから侍女を3人、護衛騎士を2人連れて行くことになっている。侍女は、幼い頃から私に付いてくれている3人を選ぶ。この3人が一緒に行ってくれるなら安心だ!



 秋になり、出立の日がやって来た。お父様はさすがに来られなかったけど、お母様と兄様、弟が港まで一緒に来てくれている。皇国から港がある隣国まで、わざわざ見送りに来るのは大袈裟だと言っていたのだけど、いざ出立となると来てくれていて良かったなと思う。やっぱり出立前に家族の顔が見られるのは、嬉しいもの!



 お母様達とお別れをし、船に乗り込む。船は間も無く出航だ。レイシアは、船が進み家族の姿が見えなくなるまで、手を振り続けるのだった。

ここからもう少しアンの子ども達の話を、おまけ話として投稿したいと思います。

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