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姉様の結婚

 今日は姉様の結婚式だ。お相手は学園時代の同級生で、彼は卒業後就職で王都を離れたのだけど、昨年王都に戻ってきて、姉様と再会したのだそうだ。卒業後も王都に残っていた友人を含めて何度か会っているうちに、お互いに恋心が芽生えていき、そこからはトントン拍子に結婚話が進んだんだって。


 私がレオナルド様と婚約してからは、姉様も大変だったようで…。私がレオナルド様と結婚しても、家族の皆の生活はそれまでと変わらない。変わらないのだけれど、王族の親戚ということになってしまうわけで。王族の親戚と繋がることで、利権を得ようと狙って来る人達もいたようだ。


 特に姉様の場合は、それがひどくて…。姉様の子どもと私の子どもは従兄弟になるということで…その父親のポジション、つまり姉様の結婚相手を狙っての接触が多かったそうだ。権力を押し付けて強引に話を進めてくるということはなかったみたいだけど、いつか暴走したら…と危惧したレオナルド様が、家や職場周辺の見回りの巡回を増やしてくれてからは、少し落ち着いたようだったけれど…。


 やはり王族の、しかも皇太子の結婚相手に他国の王族でも、国内の貴族でもない私がなるというのは、多くの問題を生むのだろう。私にも今まではなかった貴族からの接触が、日増しに増えている。だけど、全ての招待を受けることはできないわけで。私との接触が出来ないのならと、姉様や家族に向いてしまっているのだろう…。


 私はそれらの問題を背負う覚悟をして、レオナルド様と共に歩むことを選んだ。けれど、それが私の家族にも向くとなると…家族の皆は気にしなくていいと笑うけど、私が気付けていない細かな問題もあるのではと…とても申し訳なくなってしまうのだった。


 そんなことがあって恋愛に対して消極的になっていた姉様。そんな姉様の固く閉ざされかけた心を開いたのが、同級生の彼だったというわけだ。姉様の仲の良い同級生だったということで、私も何度か会ったことがあるし、可愛がってもらっていた。そんな彼と姉様との結婚を聞いた時は、彼なら姉様のことを守ってくれるに違いないと安心できたのを覚えている。



 さて、今日の結婚式は私達が卒業した学園にて行われる。なんで学園で行うかというと…母校ということもあるけど、彼の現在の職場でもあるからだ。そう、姉様のお相手の彼は先生になったのだ!


 学園にはホールもあるし街の中心にある聖教会よりも、関係者しか居ない分だけ警備がしやすいという王宮側の事情もあった。会場として全てにおいて最適だったのが、学園だったというわけだ。


 さすがにレオナルド様は来られなかったけど、私は朝から学園を訪れている。仕度も整って、式まではまだ時間があるので、久々の家族団欒を楽しんでいた。純白のドレスに包まれた姉様は、とても綺麗で…。まだ式の前だというのに、感動して涙を浮かべてしまう。



(今でこれだと…絶対に式本番では泣いちゃう…。今日くらいは人目を気にせず泣いても大丈夫だよね…。幸せな感動の涙だもの)



『皇太子妃としての心得』では、人前で見せる感情はコントロールしなければいけないと教えられているけど…今日くらいはね。まだ…まだ今は『皇太子妃』ではないのだしね…!



 結婚式はごく内輪のもので、親族とごく数人の友人、学園関係者だけで行われた。そんな式は、ささやかながらも、笑顔や感動の涙に溢れる素敵なものになった。


 私はやはり…姉様の入場とともに涙を抑えることができなくなっていた。そんな私を姉様があやす様に抱きしめてくれるものだから、さらに泣いてしまって…。


 最後には皆がそれぞれ魔法を駆使して、魔法の光に溢れた道を作り出した。その道を新郎新婦が歩いて行く…その姿を見ていても泣いてしまい、そんなアンの姿を周りの皆は微笑ましく見ていたのだった。

読んでいただき、ありがとうございました。また数日後に、おまけ話を更新できるようにします。

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