高等科進学ー実地訓練ー
この話から高等科篇です。よろしくお願いします。
思い返してみると、いろいろ盛りだくさんだった気がする中等科も無事に卒業し、ついに高等科に進学した。学園生活も残すところ3年だ。高等科ではコースが4コースに分かれてくる。それぞれが将来就きたい仕事に応じたコースを選び、それに適した授業を受けていくのだ。コースの内容はこんな感じだ。
・騎士を目指すコース(上級魔法は攻撃魔法の習得を中心に。武術の授業が多くなる。武術は剣や槍、弓などを総合的に学ぶ)
・魔法部隊を目指すコース(防御、攻撃、回復魔法、全ての上級魔法を習得。上級魔法の組み合わせ魔法も習っていく。魔法の習得に1番力を入れているコースだ)
・研究者を目指すコース(上級魔法を一通り習得。魔法書の読み解きの授業が多くなる。魔法書は古代語で記されているものもあるので、語学の勉強も多くなる)
・治療術師を目指すコース(上級魔法は回復魔法を中心に。これまで行われてきた医術の授業も行う。身体の仕組みを徹底的に学ぶことで、より複雑な治療が行えることを目指す)
私は全ての上級魔法と組み合わせ魔法の習得をめざして、魔法部隊を目指すコースを選んだ。研究者を目指すコースとどちらを選ぶか最後まで迷ったが、もし研究者になるにしても全ての魔法を習得しているというのは役立つと思ったからだ。
ちなみに皆はどのコースを選んだかというと…。騎士になりたいリラン君はもちろん騎士を目指すコースだ。アリーネちゃんは語学が得意なこともあって、研究者を目指すコースを選んだ。そしてジェシカちゃんは、聖教会が開いている治療院で働きたいからと、治療術師を目指すコースを選んだ。見事にバラバラだ。でも、相変わらず休憩時間や放課後、それに休日などは皆でよく集まった。将来のことなども、よく語り合ったりするのだった。
さて、魔法部隊を目指すコースだ。上級魔法を全て習うのだけど、全てと言ってもそこまで多くの種類があるわけではないので、習得自体はそう時間はかからなかった。魔法を使い込むに連れて、【聖光】との連携もスムーズになってきているので、一つ一つの魔法の習得は難しくなくなってきていたからだ。組み合わせ魔法はかなり強力な威力を発揮するので、これまで以上に細心の注意を払って練習に取り組んだ。練習場の結界も、これまでとは比べものにならないくらい強固なものだから、そこは安心だ。
そして、初級・中級魔法については、かなり使い込んだのもあって、呪文の短縮も可能になってきた。【火球】や【光弾】などと、キーワードを唱えれば魔法が発動するのだ。上級魔法については元の呪文が結構長いので、短縮できたらかなり発動が楽になるだろう。上級魔法については、これからもっと使い込んでいかなきゃだけどね。初級・中級・上級で、それぞれ防御・攻撃・回復魔法の全属性の呪文を覚えておくのは、中々大変なのだ…。短縮出来ないと、ごちゃ混ぜになりそうだ。
高等科で中等科までと違うのは、学園外での実地訓練があることだ。王宮騎士団魔法部隊の協力のもと、街の外で実際に魔法を使ったりするのだ。
実地訓練は防御魔法、攻撃魔法、回復魔法と、それぞれの実践を行う。防御魔法の実践では、首都近郊の町まで行き、綻び始めた結界の強化などをした。もちろん、最終チェックは魔法部隊の方たちがしてくれる。だから、町の人達も安心して私達に任せてくれるのだ。
攻撃魔法の実践では、農作物を荒らす害獣の駆除などを行った。迷い込んだだけであろう野生動物は、防御魔法で結界の中に閉じ込めた。そして、農作地から離れた本来の生息地に返すのだ。
回復魔法の実践では、治療院に出向き無償で治療を行った。治療術師が行う治療は、治療内容に相応の費用が必要なので、無償の治療は喜ばれるのだ。無論、学生が充分な治療を行えると、学園と治療術師が判断した患者さん限定の治療になるのだけど。
これらは良い経験になった。こうして経験を積むことで、攻撃魔法を実践で使うのはまだ少し怖いが、防御魔法や回復魔法なら自信を持って使えるようになっていった。
この実地訓練も選んだコースによって違ってくる。騎士を目指すコースの学生は、武術の実地訓練を行うべく、騎士団の武術訓練に合流させてもらい、鍛錬していくのだとか。相当鍛えられるようで、リラン君はどんどん武術の腕が上がっているようだ。
研究者を目指すコースでは、魔法研究所に赴き、実際の研究の様子などを見学させてもらったり、手伝ったりするのだそうだ。この実地訓練はにはすごく惹かれるものがある!魔法部隊の実地訓練には、これはないんだよなぁ…残念!
治療術師を目指すコースでは、治療院で治療の腕を磨き、その後は治療院がない地域に監督の治療術師と出向き、治療を行うそうだ。大きい街にはどこにも治療院があるが、小さな町などには行き届いていない施設である。そういった地域では、巡回の治療がとても待ちわびられているそうだ。
こうして各コースともに、実地訓練を重ねることで経験を積んでいく。友達からそれぞれの実地訓練の様子を聞くことも、いい勉強になっていると感じる。そう考えると、皆がバラバラなコースを選んだのも、良かったのかなと思うのだった。




