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再び花祭りー大抜擢?ー

 花祭りの花姫は15歳までの未婚の女性が選ばれる。セシル様とユリア様が何年も花姫を務められていたが、セシル様が15歳を迎えられた後はユリア様が、ユリア様が15歳を迎えられた去年は、セシル様達の従姉妹でもある、公爵家のご令嬢が花姫を務められた。王家に連なる『本物のお姫様』がここ何年も花姫だったのだ。


 その公爵家のご令嬢も15歳を迎えられ、今年からは別の花姫を選ばなければならないが、王家に連なるお姫様方には、現在15歳未満の方はいらっしゃらない。なので、今年は誰が花姫なんだろう?と思っていたのだけど…。



 ある日、我が家に花祭りの実行委員長一同が訪ねてきた。そして、こんな爆弾発言を落としたのだ。



「今年の花祭りの花姫はアンさんに引き受けていただきたいと、我々は考えております」


「…はい?!何を突然…冗談ですよね…?」


「冗談などでは、わざわざ御宅まで押しかけませんよ。いえね、セシル王女様が今年の花姫にと、アンさんをご推挙なされたのですよ。アンさんは14歳とお聞きしてますので、今年限りではありますが、せっかく王女様にご推挙頂いたのですから、我々としてはアンさんに引き受けてもらいたいと考えております」



(セシル様…!なんて無茶振りをっ!!)



 いきなりのことで唖然としていると、

 実行委員長さんがこんな提案をしてくる。



「1人では心もとないでしょうから、お友達と一緒に引き受けてもらってもいいですよ?15歳未満の女性の方であれば、選任はお任せしますので」


「その…聞いてみないとわからないですけど、花姫になりたいという子はいるかもしれません。でも、何人かいれば私が無理にならなくても…」



 そう言いかけたのだが…。



「アンさんに辞退されると、セシル王女様に合わせる顔がありません。アンさんには花姫になっていただくとして、あと2~3人までなら選んでもらっていいですよ」


「…はい」



(ですよね…。私がならなくてもいいとは言ってくれるわけないよね…)



『友達の選任については考えておきます』と言って、その日は引き取ってもらったのだった。



 次の日、早速アリーネちゃんとジェシカちゃんに昨日の話をする。もちろん一緒に花姫になってくれないかとのお願いも忘れない。



 まずは、アリーネちゃん。お店のお手伝いがあるから、自分だけじゃ決めれないと言ったけど、花姫をすることには乗り気なようだった。


 ジェシカちゃんは、私と同じでパレードに抵抗があるようだった。でも、私を1人にはできないと引き受けてくれたのだ。持つべきものは優しい友達!



 後日、家族の許可も得たアリーネちゃんとジェシカと3人で、実行委員会が置かれている事務所に向かった。花姫の役割はパレードで観衆に向かって花を振りまくことだから、練習とかがあるわけではない。でも、花祭り当日用の衣装合わせをしたり、準備は必要なのだ。


 花祭りのメインの花は毎年変わる。そして、その花に合わせた衣装を着るのだから、毎年衣装も変わるのだ。サイズを測り、仮縫いをし…と、学校の合間に忙しくしていたら、あっという間に花祭り本番を迎えた。



 花姫のパレードは花祭りの最終日なので、それまでは普通に楽しんでいいのだけど、緊張もあって例年のようには気楽に楽しめない。


 そして、花祭りも最終日。完成した花姫の衣装を身に纏い、結った髪にも花を飾る。そして、アリーネちゃんとジェシカちゃんとともに、馬車に乗り込んだ。馬車の周りには騎乗の騎士様に、魔法を演出する魔術師さん達。


 パレードのスタート位置は大観衆だった。これで緊張するなというのは難しい。だけど、左右には頼もしい2人の友達。なんとか笑顔を浮かべることに成功して、パレードもスタートを切ったのだった。


 集まった観衆に向かって手を降り、花を振りまく。終着点の王宮前広場には、広場を埋め尽くすほどの観衆が集まっていた。馬車のルートだけは確保してあるので、広場内を円を描くように何周か回って行く。より多くの人が花を手にすることができるように。


 去年までとは違って本物のお姫様ではないけれど、花姫として少しでも多くの人々に幸せのおすそ分けができるようにと願って、花びら1枚残さず笑顔とともに振りまいたのだった。


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