中等科ー魔術運動会ー
今日は中等科のクラス対抗魔術運動会。【魔術】と付くのは、魔法の使用が必須だから。徒競走だって、風の補助魔法を駆使してスピードをアップさせる。属性で有利・不利が出ないように、種目は属性別に行われる。
目玉の競技は陣取り合戦だ。これだけは、属性関係なくチームの総力戦だ。自軍の大将を決め、他の生徒は大将の居る自軍中心地まで他のチームの生徒を踏み込ませないように、攻防を繰り広げるのだ。結界を張る者、他チームの陣に攻撃を仕掛ける者、他チームからの攻撃を迎え撃つ者と役割分担をし、それぞれが魔法を駆使し、その役割を果たしていく。そして、最終的に大将を守り切ることが出来たチームの勝利だ。
本来なら、このクラス対抗魔術運動会は学年別に行われていた。一年生は一年生だけでしていたのだ。でも、今年からは違う。私が全属性の強力な魔法を使えるということで、同学年だけで運動会を行ったら、私のクラスが圧勝してしまうのではと先生方が考えたようだ。
そこで、今年からは学年の縦割りで1組・2組・3組に分かれ、3チームで競い合うことになった。さすがに上級生もいたら、私1人が強力な魔法を使えたとしても、簡単に倒せないしね。
私の場合は属性別の競技はどれにでも参加できるけど、全部参加してたら体力がもたない。なので、いくつかに絞って参加することに決めた。
そして、目玉の陣取り合戦。これは私が大将役に決まった。大将は自分の周囲に結界を張ることと、自分に攻撃を仕掛けた者を迎撃することができる。でも、自分からは陣を離れて他のチームに仕掛けることは出来ない。大将とならずに攻撃を仕掛けた方が、私の魔法は活かせるのかもしれない。確かに相手に応じて属性を使い分けることができる。でも、私には攻撃を放つ魔力はたくさんあるけれど、広いグラウンドを駆け回り攻撃して回る?そんな体力はきっとない。途中でダウンする自信がある。力強く言うべきことじゃないけどね。回復魔法で怪我なんかは治せるけど、疲労まで治せるわけじゃないからなぁ。
そんなことを熱く語り、私が大将をすることになったのだ。自軍全体に大将が結界を張ることは許されていないけれど、中級魔法で自分の周囲10メートル程に結界を張ることはできる。その範囲にさえ収まるのなら、どんな結界を張ってもいい。つまり、5属性の結界を重ね掛けしてもいいのだ。
それだけの結界を張れば、かなりの総力を持って仕掛けられない限り、破られることはないと思う。例えば上級生に狙い撃ちにされるとか?でも、迎撃役もいるしそこまでの総攻撃は受けないのではないかと思う。そして、結界の中でしか動かないから体力は使わなくて済む。魔力はその強固な結界を、長時間かけ続けても平気なだけ持っている。もし破られたら迎撃しないといけないけれど、体力は残っているし、魔力も迎撃出来るだけのものは残っているだろう。
ちなみに、グラウンド全体には先生方が特殊な結界を張っているので、結界内であれば、攻撃が当たって生死に関わるような怪我を負うことはない。もし競技が継続出来ない程の攻撃を受けるのが確実だと結界が判断したら、自動的に特殊な結界に守られることになっているらしい。結界に守られてしまったら、その競技からの脱落を意味する。攻撃を受ける前に自分で防ぐことができれば、もちろん大丈夫だ。そういう結界で皆の安全が保障されてなかったら、怖くて同級生や上級生に向かって攻撃なんて放てないよね。
さぁ、運動会が始まる時間だ。使い魔は契約していない生徒の方が多いから、専用の待機スペースで待機中だ。ミィもおとなしく座って私の方を見ている。
(頑張ってくるからね!)
最初に参加したのは水球合戦。雪合戦の水球版ってところかな。水球を次々に創り出しては、対戦相手に放っていく。水球合戦はチーム戦なので、水球を創り出す担当・水球を放つ担当に分かれている。私は創り出す担当だ。魔術を放つコントロールは良くなってるけど、もっと得意な人はいっぱいいるから、そっちはお任せだ。
私のチームは水球の球切れ知らず。私が創り出すペースが早いからね!リラン君は次々に相手方に命中させている。相手チームは水球創りが追いつかなくなってきたみたいで…この勝負はうちのチームの勝利だ!
次に参加したのは光玉転がし。大玉転がしみたいな感じ?光魔法で大玉を創る。光玉には重さはないから、転がすのに負担はないけど、光玉の維持は中々難しい。走りながら、光玉を維持させる集中力が必要だ。私は走るのは早くはないけど、光玉を創って維持させるのは全く問題なかった。早さでは負けたけど、2着だったよ!
地魔法では変わった競技があって、地魔法で像や建物なんかを創り出すって競技。大きさや、精密さ、芸術性を総合評価。それに応じたポイントが各チームに入る。私が創ったのは石の王宮。王宮のイメージをしっかり持って、その形に土を盛り上げる。手で少し微調整。で、土を石に変える魔法。白い石に変えると、白亜の王宮の完成だ!この王宮は好評価を得ることができた。大きさもあったけど、王宮には何度か招待されたから、精巧さも高かったのだ。やった!ポイントを稼げた!
私が参加した属性別の競技はこれだけ。残るは陣取り合戦だ。大将の立ち位置に向かい、早速5層の結界を張る。地魔法の結界は外の様子は見えるように工夫した。岩の防御壁とかだと資格が遮断されるから、砂の防御壁だ。砂だからといって、防御力は中々のものだよ。さぁ、これで準備は万全だ。
うちのチームは、結界を張るのに4分の1、残りを半々に攻撃と迎撃とに分けてある。攻撃組は早速、他のチームの陣に攻撃を仕掛けに行ったようだ。攻撃組が攻撃をスタートさせた頃、うちの陣にも他のチームからの攻撃が始まった。防御で防ぎながら、迎撃組が迎撃していく。相手の属性と力を見極め、出来るだけ相性のいい相手で迎え撃つ。今のところ、陣営内への攻撃は許していない。
アリーネちゃんは3属性持ちなので、迎撃組で大活躍だ。ジェシカちゃんも水神の寵愛の力を発揮して、防御組で強固な結界を張っているのが分かる。ジェシカちゃんの張る結界に穴はなさそうだ。
そんなバッチリな連携だが、どうしても広い陣営の中で隙は生まれてくる。勇敢な他チームの攻撃勢が1人2人と私のいる中心地まで近づいてくる。迎撃組も必死に防いでいるが、防ぎきれなかった勢力が私のところにたどり着く。でも、私の結界は簡単には破らせない!かなり強力な魔法を放ってきているけど、まだ最初の層の結界で防げる範囲だ。
最後の方では第4層の結界まで攻撃が迫ってきたが、そこまでだった。私も迎撃したし、1チームを撃破し終えた攻撃組が、残りの1チームへの攻撃に加わったことで、その撃破にも成功し、うちのチームが勝ち残ったのだ。
この陣取り合戦でのポイントはかなり大きくて、今までの獲得ポイントも含めて、うちのチームが優勝を勝ち取った。優勝の喜びは学年は関係ない。先輩・後輩関係なく、喜びを分け合うのだった。
残りの2チームとも健闘を讃えあって、運動会は幕を閉じた。良い運動会だったな!




