進級ー組み合わせ魔法ー
2年生に進級後も担任はジョッシュ先生と決まった。なので、一般科目はジョッシュ先生が、魔法の授業はスミス先生、キャシー先生、リック先生が引き続き分担して担当してくれることになった。
魔法の授業では、ドーム状の結界を創り出す防御魔法、魔法で生み出した矢を飛ばす攻撃魔法など、徐々に威力や効果が大きくなる魔法を習っていく。回復魔法も最初に習った自然治癒力を高めるだけだったものより効果が上がって、骨折や深めの切傷も瞬く間に治せるようになった。
それからの魔法の習得は順調で、全ての初級魔法を5属性分習得し終えた後は、複数属性の魔法を組み合わせて使う、組み合わせ魔法も習っていった。複数の【聖光】を出すと、競争心が起こるのか、どちらも張り切り過ぎるので、最初は中々うまくいかなかった。でも、やはり【聖光】には真摯なお願いだ!根気良くお願いしていくうちに、徐々に均等に力を貸してくれるようになっていき、組み合わせ魔法にもようやく成功したのだった。
組み合わせ魔法では、水球や火球を同時に創り出すこともできるし、ドーム状の結界を5属性の魔法で5層に創り出すこともできた。また、水球に光魔法で雷を付属させたり、火魔法で熱した石弾を創り出すことも可能だ。あとは、風魔法の付与で攻撃魔法のスピードをアップさせたりと、組み合わせの種類は様々だ。もし、今までに組み合わせられてない魔法を考え出したら、それもオリジナル魔法になる。まだまだ、オリジナル魔法を使える段階にはなってないけどね。
組み合わせ魔法の見本を見せてもらう時は、属性の関係でスミス先生達だけでは見せられない組み合わせもあったから、そんな時は他の先生方に来てもらって、見本を見せてもらうこともあった。
例えば土魔法と光魔法の組み合わせ。土魔法で石球を創り出し、それに光魔法で雷を付与させるという魔法で、呪文はこうだ。
【土よ固まれ石球となり、雷の衣を纏いて、的を射抜け】
また、火球を風魔法の付与でスピードアップさせる魔法の呪文はこうだ。
【火球よ出でよ、風の力を借り、更なる力を持って標的を撃ち抜け】
…的に当たった感覚的には、初級なのにかなりの威力がありそうだった。軽く爆発してたし。だが、初級の中でも【球】を創り出すのは初期に習う魔法なのだ。初級の初期に習う魔法の組み合わせでこの威力だ。これが、中級、上級と上がっていき、更に複数属性を組み合わせたりしたら…。相当な破壊力になりそうだ。強力な魔術師が他国への牽制になるという意味がよく分かる。
回復魔法には知識も必要だ。身体の仕組みを理解していないと、【聖光】に正確なイメージを伝えることができず回復もうまくいかない。逆に、正確なイメージさえ伝えることができれば、かなり複雑な治療も行うことができるのだ。
回復魔法は【聖光】の寵愛・加護の具合によって、かなり精度が違ってくる。私がもしも5属性の【聖光】からうまく力を借り、そして正確なイメージを伝えることができれば、さすがに死者を蘇らせることはできないが、それ以外なら治せるのではないかと言われている。それだけの力が秘められているのだから、例え治療術師の道に進むのではなくても、できるだけ知識は深めておいた方がいいとの助言を受けた。
人生何が起こるかわからない。今のところ、治療術師に進む道は考えてはいない。でも、治療術師にならなかったからといって、知識を深めることに損はない。『あの時、学んでいれば!』という後悔はしたくないし、しっかり学んでおこうと思うのだった。
一般科目の授業も魔法の授業も学ぶことは徐々に難易度が上がっていくが、それだけやりがいがある。図書館にもよく通って、皆で勉強した。一般科目には定期的に試験があるから、試験勉強は欠かせない。皆で集まって勉強するのは楽しかった。ついつい、読書の誘惑に負けることもあったけどね。
そんな充実した学校生活は過ぎるのも早く、気づいたら6年生になっていたという感じである。もう初等科の最上級生だ。




