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魔法技能検査

第5部は、削除して4部に書きます。文章内容が変わる場合がありますがご了承ください。


10/31。加筆と修正をしました。これからもしていく予定です。

2、3時間目は〝魔法技能検査〟がおこなわれた。

この検査は身体検査と平行しておこなう検査で主に生徒の現在の〝魔力のレベル〟〝魔法の技能〟を調査するのが目的だ。その検査によって学院初期の成績が決まるのだ。成績と言っても大半はこの検査の結果で将来が決まると言われている。

検査が全て終わり、光は帰りの支度をしていた。

進級式の日は検査だけで終了して下校になっているからだ。


「よお、終わったか」

健太が声をかけきた。

「うん、なんとかね」

「魔力がまったくない状態はさすがにしんどいだろ。俺はそんな事になったことがないわからないが」

「そうだね、何度もやってきたから慣れているけど。他の人がこんなことになったら混乱すると思うよ」

光の言葉にそれは困るな、と健太は苦笑を浮かべる。

「しかし、本当なんだな。魔力が無いって」

健太の言葉に今度は光が苦笑した。

光の検査は魔力がなかったため再度の通知を言い渡された。


「もう一回やるのか?珍しい奴だな」

「大丈夫だよ、結果は変わらないから」

「そういうものか」

「そういうものだよ。僕にとってはね」

健太と別れた後、光は昇降口で姉と妹を待っていた。


「お兄ちゃん!」

明るい声で妹の明里が手を振りながら駆けてきた。

「明里、姉さんはまだなの?」

「うん、お姉ちゃんは、まだみたいだよ」

「そうか。そういえば、〝検査〟はどうだった?」

「バッチリ!」

笑顔で明里は、答えた。

「お兄ちゃんは?」

その一言に光は言葉に詰まりかけたが答えた

「再度の検査だってさ」

「大丈夫?」

「大丈夫、大丈夫、なんとかなるよ」

光はそう言ったが言葉に力はなかった。

「でも、どうしてお兄ちゃんは〝魔力〟がないの?」

「さあ?」

それは光自身が一番、知りたかった。

その時、軽い頭痛が光を襲った。

たまに光はこういった突然の頭痛などを起こす時があるだ。しかし頭痛はすぐに治るため光はとくに気にするようなものではないと思っていた。そして今回もすぐに収まり光は何事もなかったように歩き出すのであった。


魔力がない。


それは光にとって一番の問題であった。

魔法が一般化したこの世界。

今魔力がないという人はいない。

オリジンが発見される前の人達は魔力を持っていないと思われていたが発見された技術と調査によって全ての生物には魔力を持っていることがわかったのだ。そのために魔力のない光は、そんな世界ではイレギェラーな存在になっていた。

この時代に魔力がない人間。それは魔法を研究する人達にとって興味の対象になった。光は研究者からさまざまな形で検査や魔力の覚醒魔法を受けたが解明される事や覚醒させる事もできずに研究者も匙を投げてしまった。

光にとって魔法というものは遠い存在へとなってしまったのだ。

そして、研究者達は光が自然と魔法に触れたり影響を受けると覚醒するのでは、と考え魔法を学ばせようと結論付けた。

そのため光は皆と一緒に魔法院に通っている。

基本的に人は必ず魔力は持っている。しかし、引き出すには魔力に触れて触発される必要がある。光の場合はそれが出来なかった。

「やっぱり、きっかけが必要なのかな?」

「きっかけか」

光は自分の魔力を引き出すきっかけが皆目検討がつかなかった。

「あ。お姉ちゃん!」

暫くして二人は茜と合流した。

しかし、茜の様子を見て二人は驚いた。

「お姉ちゃん!まさか、決闘していたのぉ!」

「え、あ、ああ。そうだけど」

茜は少し歯切れ悪く呟いた。

「初日から何やってるの!」

「だって、挑まれたから」

「もお!」

明里が声をあげた。

「姉さん。決闘をしたの?」

光がもう一度聞く。

「ああ」

茜は頷く。

「あ。言っておくけど、結果は私の勝利だよ」

(勝ったんだ。姉さん)

「勝ったとかそんなじゃないよ!」

再び明里は叫ぶ。

「初日くらいは落ち着けないの」

「悪い。明里」

茜は明里に根負けし謝った。

そんな二人を見て光は、いつもどおりだな、と微笑ましく思うのであった。


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