表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/52

プロローグ


 午前十時、深水仁栄ふかみじんえいは友だちの相川二瑠あいかわじるの家へと急いでいた。


 二瑠は今年の春、他県からこの街へ引っ越してきた転校生だった。


 背は高くて色が白くて華奢な体格。班が同じだったこともあって、仁栄と二瑠はすぐ仲良しになった。


 今日は、二人で一緒に釣りに行く約束をしている。約束の時間は十一時、仁栄の家から二瑠の集合団地までは、自転車で十五分程かかる。


 途中で駄菓子屋へ寄っていけるな、そんなことを思いながら仁栄は自転車を走らせた。


 真夏の太陽は既に高く、クマゼミの鳴く声がやたらとうるさかった。


 今年度十歳になる仁栄には、宿題以外に他は何も気にかける問題など見当たらない、去年と同じ夏休みだった。いや、宿題さえ気にかけていなかった……。


 仁栄は釣竿が車輪に引っ掛からないように気をつけながら、自転車のスピードをゆっくりと上げ、颯爽に通い慣れた狭い路地を抜けた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ