試練終了
炎に包まれ、黒コゲになったドレスを身に纏いながらも、ニセ純は執念深く自らの間合いへと飛び込んできた。彼女は、正面から向き合う宮内純を鋭い眼光で射抜く。
「サンダークロス・スペシャル!!――神威あれ、大地母神の愛よ、雷神の槌よ!」
宮内純の声が轟くと同時に、落雷のごとき凄まじい踏み込み音がサバンナの大地に響き渡った。彼女の渾身の正拳がニセ純の顔面を正確に捉える。衝撃で敵の頭部が大きくのけ反った瞬間、純はさらなる神速をもって一歩深く踏み込んだ。続けざまに放たれた鋭い肘鉄が、ニセ純のこめかみを深々と捉えた。
一方、古藤三平もまた、自らの間合いへと飛び込んできた模造品に対して、冷徹なまでに無表情のまま苛烈な斬撃を浴びせていた。
彼は愛用する錬金小太刀のグリップにある引き金を静かに絞る。独特のモーター音が鳴り響き、装填された錬金弾が小太刀のチャンバー内で、弾頭部分にあるマナの結晶、クリスタルから膨大な魔力を解放した。そのマナは瞬時に刀身へと伝わり、小太刀の切れ味を理論上の限界値を越えて増幅させる。
ほぼ同時にマナを失った錬金弾の薬莢が盛大に飛び散った。
三平の一閃が、ニセ三平の利き手を無慈悲に切り飛ばした。力なく切断された手首とともに、まがい物の小太刀が乾いた地面へと転がり落ちる。
「降伏しろ」
三平が静かに告げたその場所へ、空間を切り裂く真空の刃が飛来した。藤拓人が放った強力な合成魔法、ストームエッジである。
拓人自身がニセ拓人の間合いという極めて危険な距離に身を置きながら、味方の攻撃を信じて放ったその一撃は、あまりにも豪胆であった。
全ての決着は、剣菱将が放った絶対的な浄化の炎という形で示された。




