【3夜目‐1】 不在の芽玖。女子同士の触れ合い。
ひと晩あけて、本日、夜8時。
今日は、芽玖が残業で不在らしく、情、別好、絵美の3人が風呂場にやってきた。
情がマンボウくんを湯船に浮かべる。
「マンボウくん以外はいないのか?」
俺は、プカプカ浮かぶマンボウくんを見て、小声で別好に訊ねたが、
「…………」
と、終始無言だった。
別好だけ先に湯船に浸かり、情と絵美が体を洗いはじめる。
情が絵美の胸をジーッ、と見る。
「ちょっ、なに見てるん!?」
慌てて腕で胸を隠す絵美。
「いやー、高校生のあたしより胸でかいとか反則よねえ。
……学校で友達と触りあいっことかしないの?」
「するわけないじゃん……、
そんなの、男子の幻想でしょ……」
絵美は言いつつも、顔を赤らめる。
「……あー、やっぱ、やってるでしょ?」
「うっさい……」
◆◆◆◆
ちょっとした痴話喧嘩? はやがて静まり、情と絵美は仲良く風呂に入っていた。
「やっぱり、ハーレムダッツはシークワーサーちんすこう味が至高ね」
情が、ハーレムダッツのカップを開けて食べはじめる。
「別好はハーレムダッツ何味が好き?」
マンボウくんを胸に抱えながら絵美が聞く。
「……………」
無言。
「思い出した、きのこの森ガール・チーズフォンデュ味が好きなんだったわね」
絵美が自答する。
──スゲーな、味の想像がつかんわ。
フッ……。
別好を見ると、口許が少し和らいだような気がした。
◆◆◆◆
情と絵美が手を繋いで風呂場をあとにする。
なんだかんだ、仲いいよな、あの2人って。




